南北問題の背景と南北問題に対する動きについて
南北問題について考えてみます
・南北問題について
・南北問題とは・・先進国と発展途上国との経済面での格差のこと
・なぜ南北問題が考えられるようになったのか
・前提として、IMF-GATT体制が南北問題を引き起こした原因の一つだと言われている
→・IMF-GATT体制は、先進国を中心とした考え方だったので、
自由貿易によって得をしたのは基本的には先進国だった
・発展途上国は、一次産品(自然で採れるもの、農産物や鉱山資源など)を
作ることに専念して、モノカルチャー経済を強制的に行わされていることが
あったので、自由貿易によって得をしなかった
→逆に、交易条件(商品の交換比率)が悪くなって、
発展途上国の経済の状態はより一層悪くなった
※モノカルチャー経済・・一つのものを専門的に作る経済のスタイルのこと
=上のようなことがあったので、南北間(発展途上国と先進国)での格差が広がった
→この格差が問題視されるようになり、南北問題と言われるようになった
・南北問題に関する対策について
・1961年に、先進工業国にあるOECD(経済協力開発機構)が
DAC(開発援助委員会)をOECDの下の組織として作って、
発展途上国を援助する動きが出てきた
→援助の一つとして、DACは政府開発援助(ODA)が達成すべき条件を決めて、
発展途上国の経済と福祉の発展と向上を援助する動きを広げようとした
※ODAが達成すべき条件の内容
・政府、政府が行っている機関が発展途上国に物品などを与える
・発展途上国の経済が発展して、福祉が向上することが基本的な目的とする
・グラント・エレメント(交渉ではなく、贈与にどれだけ近いかを表す数値のこと)が
25%以上になる
→上の3つが基本とされた
・1962年に、国際連合の総会で、国連貿易開発会議(UNCTAD)という会議を
開くことが決められ、1964年に、ジュネーブというところで第1回会議が開かれた
→この時、UNCTAD事務局長のプレビッシュという人は「プレビッシュ報告」
という報告を発表した
※プレビッシュ報告について
・プレビッシュという人は、この報告の中で、発展途上国の立場から、
GATTの自由貿易制度への不満を述べた
・この報告の中で、下のような要求を発表した
→・一次産品の値段を安定させるための協定を行う
・軽工業製品(繊維や食品を含む、消費財など)に特恵関税をかける
・国際収支を調整するための資金の移動を行う
・開発金融(ある分野や産業へお金を融資する)を行う etc
※特恵関税・・ある国に関して、関税を無くしたり、低い税率にしたりする
という、税率に関して特別な扱いをする制度のこと
・発展途上国の動きについて
・発展途上国は、先進国との格差を無くしていくための動きが、
資源ナショナリズムの動きの影響によって広がってきたと言われている
※資源ナショナリズム・・発展途上国が自分の国の資源を輸出しないで、自分の国の経済を
発展させるために自分の国で資源を使っていくという考え方のこと
(=資源の輸出で、先進国の経済成長を優先的には行わない
という考え方が土台)
※資源ナショナリズムによって格差の解消が考えられた例
・1973年にOPEC(石油輸出国機構)が、石油の価格を大きく引き上げた
・途上国の発言力が大きくなってきたので、
1974年にニューヨークで国連資源特別総会という会議が開かれた
→その中で、新国際経済秩序(NIEO)を作ることが決められた
※NIEO・・国際経済に、発展途上国が平等な条件で参加するための宣言のこと
・最近の南北問題について
・最近は、南北問題の中でも、南南問題が出てきていると言われている
※南南問題・・少しずつ経済成長している発展途上国と、いつ発展するのか、
はたして経済発展出来るのかすらも分からない発展途上国
(後発発展途上国、Least developed country 略称:LDC)との間に
経済的な格差が生じている問題のこと
ポイント
・南北問題の背景、対策を押さえる
・発展途上国の動き、南南問題を押さえる
コメント
LCDではなくLDC:least developed country ですね。
調べなおしましたところ、LDCでした。
修正させていただきました。
ご指摘ありがとうございます。
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