世界の社会保障の歴史について
社会保障の歴史について考えてみます
・社会保障の歴史について
・社会保障のスタートとは
・イギリスでは、16世紀の半ばに、救貧院という施設を作って、
貧しい人々を助けることを行っていた
→特に1601年にイギリスでエリザベス救貧法という法律が作られ、
この法律が社会保障のスタートだと言われている
・イギリスの社会保障について
・イギリスでは、工業化という現象が起きたので、都市部に人々(労働者)が
集まるようになってきた
→その時労働者は、労働組合、協同組合、友愛組合などと呼ばれる組織を作って、
労働者がお互いに助け合うような関係を作るということが起きた
・世界各国の動きについて
・世界各国の政府は、各地で起きている労働運動に対して、
労働運動を抑えるということを考えた
→そのための動きとして、労働者の保護を行うことを考えた
※世界最初の労働者の保護について
→1883年にドイツのビスマルクという人が世界で初めて社会保険制度を作った
・ビスマルクが作った世界最初の社会保険制度について
・1883年に疾病保険、1884年に災害保険、1889年に老齢疾病保険という
3つの保険を作った
※しかし、この保険制度は社会主義の立場だったので、
失業保険はまだ作られていなかった
・この社会保険制度は、社会主義の中で働く人達へのご褒美だという考え方があった
・その後の社会保障の動きについて
・ビスマルクの社会保険制度をスタートに、各国で様々な社会保障制度が生まれた
→その中で、近代的社会保障制度が生まれた
※ここでの近代的社会保障制度は、国民の立場になって、
国民の生存権を保障するという考えが含まれていた
→近代保障制度の考え方は、1942年のベバリッジ報告というものを
土台にして作られたイギリスの社会保障制度で
初めてはっきりと表されるようになったと言われている
※ベバリッジ報告について
・ベバリッジ報告とは・・保守党の政府からお願いされた、
ベバリッジという経済学者が発表した
「社会保険および関連事業に関する報告書」というもののこと
・この報告は、現在のイギリスの社会保障の基礎になっていると言われている
※ベバリッジ報告を土台にした最初の近代保障制度について
・この保障制度は、「ゆりかごから墓場まで」ということをスローガンにしている
・均一給付と均一拠出による均一主義、ナショナル・ミニマムの保障、
全国民を対象にする包括給付という3つの原則が土台となっている
※・均一主義・・全ての人が同じ金額を出したら、
全ての人が同じ金額の給付を受け取るという考え方のこと
・ナショナル・ミニマム・・国が人々に保障しなければいけない
最低限度の生活レベルのこと
・包括給付・・国民全員に給付する考え方のこと
・アメリカの社会保障について
・アメリカは、1935年に、ニューディール政策の一つとして、
社会保障法という法律が作られた
→この法律によって、公的扶助や社会保険などが含まれる社会保障が行われた
※しかし、国民全員が対象とはならなかった
※社会保障という言葉は社会保障法で初めて使われたと言われている
・スウェーデンの社会保障について
・第二次世界大戦前は、地方自治体がそれぞれの生活保障のための活動を行っていた
・第二次世界大戦後は、国民全員が対象の社会保険が作られた
→被雇用者(雇われている人)は、年金保険と医療保険の保険料は、
全額会社が負担することになっている
・戦後の社会保障の考え方について
・戦後は、社会保障は人間の基本的な権利だという考え方が広がっていった
※それまでは、社会保障は救済や援助、国からの恵みだという発想が強かった
→このような考え方を浸透させていく時に、
ILO(国際労働機関)のフィラデルフィア宣言、
国連の世界人権宣言の影響が大きいと言われている
※フィラデルフィア宣言・・「労働は商品ではない」ということを前提として、
労働者、雇用者、政府のそれぞれの代表が国レベルで
お互いに協力し合っていくことが大切だとした宣言のこと
コメント
社会主義の中で働く人々の部分が間違っているかと思われます。