平和について -日本・国連・市民の平和のための国際的な活動-
日本・国連・市民の平和のための活動について考えてみます
・国連の平和へ向けた活動について
・国連は、1950年に国連の総会で、「平和のための結集決議」というものを採択した
→この決議によって、安全保障理事会が拒否権を使って、
上手に機能しなくなってしまった場合は、緊急特別総会というものを開いて、
総会が勧告することができるようになった
・「平和維持活動」(PKO)と呼ばれる活動を行うようになった
→これによって、停戦の監視、兵力分離、平和の回復後の選挙の監視などを行うようになった
※ただし、PKOは、紛争を行っている国がPKOの活動を
認めてからでないと派遣されない、ということがあり、
国連憲章というものに規定されていない
→国連のPKOは増えたが、紛争を行っている国からの同意が無かったり、
PKOの活動が失敗に終わったりすることもある
=国連の安全保障をどのようにしていくべきか、という事が考えられている
・国連の社会や経済への協力について
・世界の平和については、「4つの自由」が考えられることがある
※「4つの自由」について
・第二次世界大戦中に、アメリカのローズベルト大統領が提唱した自由のこと
・4つの自由とは、
言論・表現の自由、信教の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由
のことを指す
・国内で、4つの自由が確保されないと、国際関係も悪くなる、
という考えをローズベルト大統領が持っていた
・国連に、経済社会理事会というもの作った
→この理事会によって、様々な専門機関と協力する体制を整えたと言われている
・総会の会議によって、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連開発計画(UNDP)、
国連環境計画(UNEP)、国連工業開発機関(UNIDO)などを作って、
戦後の南北問題、環境問題などへの対応を考えた
※・UNCTAD・・先進国と発展途上国との経済格差や、発展途上国の経済の促進などを行う
・UNDP・・発展途上国の、貧困の対策、民主的統治の確立、エネルギーと環境問題、
エイズの対策、紛争や災害の予防と復興の5分野の支援を行う
・UNEP・・環境問題に関する活動に対する様々な管理や調整を行う
・UNIDO・・発展途上国の工業化を目指す
・国連人間環境会議、国連環境開発会議(地球サミット)、世界人口会議、
国連海洋法会議などの会議を開いて、国際平和を目指していると言われている
※・国連人間環境会議・・地球環境の破壊に対して行った最初の会議のことで、
ストックホルムで行われた
・地球サミット・・リオデジャネイロで行われた国際会議のことで、
リオ宣言やアジェンダ21などが採択され、
気候変動枠組条約と生物多様性条約への署名が行われた
・世界人口会議・・人口爆発などについて話し合うため、
10年に1度行われる会議のこと
・日本の国際平和への活動について
・日本は、湾岸戦争の影響で、1992年にPKO協力法という法律を作った
→この法律によって、様々な場所に自衛隊を派遣するようになった
※日本が自衛隊を派遣した場所
・1992年・・カンボジアの国連暫定統治機構(UNTAC)
・1993年・・モザンビーク
・1996年・・シリア(ゴラン高原)
・2002年・・東ティモール
→この時の派遣は、食料や医薬品の輸送、選挙の監視などだけで、
平和維持軍(PKF)には参加しなかった
→2001年にPKO協力法が改正されて、PKFの業務への参加が認められた
※ただし、平和執行部隊への自衛隊の派遣は認められていない
・PKF・・PKOで、紛争の終了や、停戦監視などを行う軍隊のこと
・市民や自治体が行う国際活動について
・市民や自治体が行う国際的な活動の代表的な団体にNGO(非政府組織)がある
→国際的なNGOの例
・国境なき医師団という組織が、戦災地で医療活動を行う
・地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)が対人地雷全面禁止条約という条約を
作ることを提唱した
・政府の援助が行かないような、細かい援助を行っているNGOもある
→近年では、自治体外交というものが考えられるようになってきている
※自治体外交・・自治体レベルで国際交流のネットワークを組織したり、
外交を行ったりすること