金本位制とIMF-GATT体制について
金本位制とIMF-GATT体制について考えてみます
・金本位制の時の経済について
・第一次世界大戦(1914~1918)よりも前の時の国際経済は、
金本位制という国際通貨制度を使った、自由貿易の経済の体制だった
※金本位制の時の国際経済は、国が手を加えなくても、収入と支出が自然と一致したので、
自由貿易が出来ていた
→しかし、下の3つの理由が原因で、金本位制が危なくなってきて、
結果的に金本位制が完全にダメになってしまったと言われている
理由:・第一次世界大戦の後に、国際経済の中心がイギリスからアメリカに
変わっていったので金がアメリカにどんどん集まるようになっていった
・貿易量が増えた時に、金は増えなかったので、金が貴重になっていった
・1930年代に世界恐慌が響いていた
→そこで、金本位制が終わった時の世界恐慌を乗り切るために、
それぞれの国は主に下の2つのような行動を取った
・輸出を増やすことで不況を乗り切ろうとして、
為替の切り下げ(自分の国の通貨の価値を下げる)を行った
・輸入する商品に、高い関税をかけることで、
自分の国に入ってくる輸入品を減らそうとした
=結果的に、世界での貿易が非常に少なくなり、特に大きな国は
ブロック経済を行うところもあった
※ブロック経済・・いくつかの国の経済をまとめて、一つの国の経済として
扱うようになること
(1930年代は、イギリス、フランスなどの帝国主義だった国を
中心に、世界全体がいくつかの経済に分けられることになった)
※上のような経済のスタイルは結果的に崩れたが、崩れたことが
第二次世界大戦を引き起こす原因の一つだと言われている
・IMF-GATT体制について
・第二次世界大戦の前の国際経済のスタイルが失敗だということになったので、
戦後に新しい経済の制度を使って国際経済を安定させようとする動きが
見られるようになった
→戦後の国際経済を安定させるための重要な制度として使われたのが、
GATT(関税と貿易に関する一般協定)とIMF(国際通貨基金)というものだった
※このように、GATTとIMFが重視されたので、
IMF-GATT体制とも言われている
・GATTについて
・GATTは1948年に、自由貿易を促すために作られた
・GATTは、自由貿易、無差別最恵国待遇、多角主義の3つを基本的な原則として、
関税を引き下げる、輸入の制限を無くす、貿易に関する様々な壁を無くす、
などのように、多くの行動を行っている
※最恵国待遇・・2つの国が自分達の間だけで行う貿易に関する
独自のルール(関税や航海など)は2つの国とは関係の無い国と
行っている貿易に関する独自のルールよりも悪いルールで
貿易をしてはいけないということ
・IMFについて
・IMFは、1944年に出来たブレトン・ウッズ協定という協定を土台にして、
1947年に作られた国際通貨制度のこと
・ブレトン・ウッズ協定で決められたこと
・ドルは、金1オンス=35ドルというレートで金とドルが交換できることが保障され、
さらに、他の国々の通貨とドルとの交換の比率も一定の率で固定化され、
交換できることが保障された
=この制度を、固定相場制と言う
・各国の通貨当局(通貨に関する事務を行う機関)が
平価維持(ドルとの交換比率を一定の数値で安定させること)を行うことを義務とした
※ただし、上下1%の変動までは認められた
・経常収支が一時的に赤字になってしまった国は、ブレトン・ウッズ協定に
参加している国が出した出資金から一時的にお金を貸してもらえることになった
・1944年7月に開かれた連合国国際通貨会議という会議が開かれ、
下のようなことが決められた
→・ドルを基軸通貨とすることが決められた
・国際復興開発銀行(IBRD)というものを作ることが決められた