地域的な経済の統合について -様々な地域統合の例とFTA-
地域的な経済の統合について考えてみます
・EUの流れについて
・1957年に、旧西ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの
6カ国がローマ条約という条約を結んだ
・1958年に、ローマ条約を結んだ6カ国で、EUの一番初めの組織として、
EEC(ヨーロッパ経済共同体)という組織が作られた
・1967年に、ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)とEURATOM(欧州原子力共同体)
という組織にEECが合わさって、EC(ヨーロッパ共同体)という組織が作られた
※イギリス、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、スイス、ポルトガルの
7か国が1960年に、EECに対抗して、
EFTA(欧州自由貿易連合)という組織を作った
・イギリスとデンマークが1973年にEFTAを抜け出して、ECに加盟した
・ポルトガルが1986年にEFTAを抜け出して、ECに加盟した
・アイルランド、ギリシャ、スペインがECに参加して、ECが拡大ECという組織になった
※ECは、共通農業政策、欧州通貨制度(EMS)などを行うことで、
ECでの経済統合を目指していった
→経済統合の動きは、1987年の単一欧州議定書というものによって、
スピードが速くなった
・1992年に欧州連合条約(マーストリヒト条約)が作られた
・1993年11月に欧州連合条約が実際に使われるようになり、
EU(ヨーロッパ連合)が生まれた
・NAFTAの流れについて
・1994年に、アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国で
北米自由貿易協定(NAFTA)という協定を作った
→NAFTAでは、関税の撤廃や投資に関する規制の解除などを展開している
※アメリカは、南米を加えて、米州自由貿易地域(FTAA)という地域を
作ることを目指しているが、なかなか話は進んでいない
※南米は、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの4カ国で
南米共同市場(NERCOSUR、メルコスール)というものを作った
→2006年にベネズエラが加盟した
・ASEANについて
・アジアに、東南アジア10カ国によって作られている、
東南アジア諸国連合(ASEAN)がある
→ASEANは、ASEAN自由貿易協定(AFTA)を作る動きを進めている
※アジア太平洋地域には、アジア太平洋協力会議(APEC、エイペック)がある
→APECには、21カ国が参加しているが、アメリカがAPECの主導権を
握るのではないかという不安があると言われている
・FTAについて
・FTAとは・・2か国間、またはいくつかの国どうしで、貿易に関する関税や
その他の制限などを無くして自由貿易を行うこと
・なぜ、FTAが考えられるようになったのか
・自由貿易を拡大するための話し合いは、WTOを土台とした上での
多国間での話し合いがルールとなっている
※しかし、一度決めた話し合いの内容について問題が発生したとしても、
簡単に新しいラウンドを行うことは難しく、
もし新しくラウンドが始まったとしても、それぞれの国の意見がぶつかり合ってしまい、
話し合いがうまくまとまらない可能性がある
→そのため、うまくまとまらないこと、新しいラウンドを行わないことなどを考えた時に
できるだけ自由貿易が出来るように、
FTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)を行う国が増えた
※EPA・・経済に関する様々な壁を取り除いて、複数の国で連携していくこと
・FTAやEPAの状況について
・日本は、シンガポール、マレーシア、メキシコなどと2国間でのFTAを行っている
・地域間での協定の例として、NAFTA(北米自由貿易協定)や
AFTA(アセアン自由貿易地域)が挙げられることが多い
※FTAは、GATT(WTO)のルールの中でも、一定の条件で認められている