人間の労働が支配される仕組みと人間の行動について

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投稿者:       投稿日時:2013/11/19 12:20      
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世の中では、多くの人が働いて生活を成り立たせています。

また、現在私たちが行っている労働は、賃労働という労働です。

つまり、雇い主に自分の労働力を提供する代わりに賃金を受け取るというスタイルで働いています。

その時、労働者は労働によって、自分の意志でなく、自分以外の人の意志を実現することになります。

そのため、労働によって労働者は自分らしさを失うことになります。

 

すると、労働力を買う私的生産者(雇用者)のほうが強い立場になる、ということが考えられます。

 

 

私的生産者は、労働者の労働力を使うことで労働者を支配しているように見えます。

しかし、私的生産者が労働力を買う理由として、なにかしらの商品を作って販売する、ということが考えられる点に注意する必要があります。

私的生産者は、自分自身かつ自分の企業や団体が生き残っていくために、常に商品を作っては販売し続けるという、「生産のための生産」を行わなければいけないことになります。

私的生産者が作る商品によっては、生き残れなくなってしまう事も考えられます。

つまり、私的生産者は、労働者をコントロールするが、商品にはコントロールされ続けるという構図になります。

 

そのため、商品という「モノ」が労働者と資本家(私的生産者)を含めた、人間全てをコントロールすることになり、「モノ」が社会の中心だと考えられます。

 

 

 

商品(モノ)には使用価値と交換価値という2つの性格があります。

しかし、労働者が商品を作る目的は、交換価値を作り出すことにあります。

つまり、労働者の作った商品は物々交換を行うために用いる商品とすることが出来ます。

しかし、物々交換で常に欲しいものが手に入るとは限りません。

そこで、自分が作った商品を誰でも欲しがるようなものと一度交換しておくと便利だと考えられます。

この時の誰でも欲しがるものが「貨幣」です。

 

そのため、商品は貨幣がコントロールすることになりますが、商品は元々人間をコントロールしていたので、結果的に貨幣が人間をコントロールするということになります。

 

 

 

貨幣を、商品を生産するための目的だとした場合、どのようにして貨幣を集めるかということが問題になりますが、この問題については労働力に注目する必要があります。

基本的には労働者が一定の商品価値を作り、私的生産者が労働者の労働力に合わせて賃金を支払います。

その中で、一定の商品価値から労働者の賃金を差し引いたものを剰余価値として、私的生産者が得ることが出来ます。

私的生産者は多く集めることが出来た剰余価値を、設備や労働力などに投入していくことで、さらに剰余価値を増やしていくことになります。

この時の、貨幣を生む貨幣のことを「資本」と呼びます。

 

 

そのため、資本が貨幣をコントロールすることになり、社会は資本によって作られていると考えることが出来ます。

 

 

ただし、資本を生むためには、労働者が必要不可欠であることを忘れてはいけません。

 

 

このようにして考えると、「資本→労働者→資本家→商品→貨幣→資本」という循環のシステムが成り立っていることが分かります。

つまり、労働者は循環のシステムに従わなければいけない状況になっています。

 

 

 

以上を踏まえて考えてみると、私は、どのような行動が自分にとって、また人間にとって価値があるのか、を検討する必要があると思います。

 

 

 人間は貨幣を得て生活をしなければいけないということがあり、上のような循環のシステムから抜け出すことは難しいです。

万が一抜け出した場合は社会的に見て「死」を選択したことになります。

そのため、循環のシステムに従うことを前提とした上でどのような行動を人々が選択していくことに価値があるのかを一人一人が考察する必要があると考えられます。

労働者の中でも、労働者として賃金を稼いだり、会社での地位が上がったりすること自体に価値を見出す人もいれば、少ない賃金で循環のシステムに存在する時間を減らして自由な時間を楽しむことに価値を見出す人もいます。

また、資本家として労働者を支配しつつ商品に支配されることに価値を見出す人もいます。

常にヒト・カネ・モノに支配されることを意識した上で、自分が希望する選択肢を選ぶことが大切であり、その人にとって価値ある行動なのではないかと思います。

 

 

 

 ヒト・モノ・カネの関係については、様々な視点から考えることが出来ますが、現状は人間が商品や貨幣に支配されているという状況は存在していると思います。そのため私は、何かしらに支配されることを前提として、どのような行動が自分にとって、また人間にとって価値があるのかを考察していく必要があるのではないかと思います。

 

 

 

 

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