少子高齢化と社会保障の現状と問題を認識しておきましょう
少子高齢化とは、少子化と高齢化が同時に起きることです。
少子化とは、18歳未満の子供の数が65歳以上の高齢者の数を下回ることです。
高齢化とは、人口の全体で7%以上が高齢者となることです。
ちなみに、人口全体で14%以上が高齢者となる社会を高齢社会、
人口全体で21%以上が高齢者となる社会を超高齢社会と言います。
そして、少子高齢化を見る上で忘れていけないのは、合計特殊出生率です。
合計特殊出生率とは、1人の女性が一生の間に何人の子供を産むかを示す数値のことです。
だいたい、2.08を下回ると、人口減少となると言われています。
これを踏まえた上で本題を。
まず、日本の合計特殊出生率ですが、2008年現在で1.37です。
最も低いと言われたのが、2005年で1.26でした。
人口減少の境目と言われる約2.08は日本は1970年代に下回りました。
これを見る限りは、子供を産む人が減少し、少子高齢化が進むことが予想されます。
ちなみに、合計特殊出生率が2.08を基準としている理由ですが、
本来ならば、現在と全く同じ人口を維持するためには、合計特殊出生率は2ということになります。
しかし、現在では病気や犯罪などで、若いうちに亡くなってしまうということがあります。
その人達の部分を考慮して0.8多くなっています。
次に、日本の少子高齢化の流れですが、
日本は、高齢社会になるまでのスピードが海外の国に比べて早かったです。
※各国が高齢化社会から高齢社会になるまでの年数
フランス 115年
スウェーデン 85年
イギリス 47年
ドイツ 40年
日本 24年
そして、日本は今後も高齢化が進むと言われています。
その原因の一つに、2007年問題があります。
2007年問題とは、1947年生まれの人達が一気に現役から退くことで
社会保障の負担が増え、社会保障を納める人が減るという問題のことです。
この問題によって、団塊の世代が一気に高齢者になるため、日本の高齢化が
ぐっと上がることが懸念されています。
ちなみに、団塊の世代とは、1947年~1949年の62~65歳のことを指し、
この3年間で、日本では約800万人の子供が産まれたと言われています。
ただし、団塊の世代が一気に高齢者になるのは、日本だけの現象ではなく、世界全体の現象です。
この現象の理由の一つとして、第2次世界大戦終戦の影響があると言われています。
第2次世界大戦の時、生きて帰ってきたら結婚しようという意志のあるカップルが多く、実際に終戦後に結婚し、子供を作った夫婦が多かったことが考えられます。
第2次世界大戦は、当たり前ですが世界の戦争なので、世界全体の現象になったのではないかと。
この一連の流れを見ても、少子高齢化が進んでいることがわかります。
ということは、結果的に少子高齢化が進んでいることは事実ということになります。
ここで重要なのは、
こういう現状があるということを認識することだと思うんですよね。
少子高齢化は問題だと叫ばれていますが、
本当に問題かどうかは実際の数字を見てみないと分からないです。
実際の数字を見てみた上で、
問題だと思えば、解決に取り組んでいけばいいと思いますし、
問題じゃないと思えば、ほっとけばいいと思います。
少なくとも日本政府は、少子高齢化を問題だと思っているから、叫んでいるような気がします。
そして、もう一つ重要なのが
少子高齢化を問題だと捉え、解決に取り組む時、その方法をちゃんと考えるべきではないかと。
少子高齢化を解決する時、大きくは2つの方法があると思います。
1つめは、少子高齢化を根本的に撲滅させる、という方法です。
2つめは、少子高齢化を受け入れた上で、他の部分を調節し、少子高齢化の状態でも大丈夫な状況にする方法です。
1つめは、少子高齢化の直接的な原因である、「子供が少ない」という問題を解決するために、
外国人を積極的に受け入れたり、「子供を何人以上産まないといけない」のように法律などで強制する方法などがあります。
外国人を積極的に受け入れるという考えですが、
中国を例にとると、
中国には昔、一人っ子政策というのがあり、
一家族につき一人しか子供を産んではいけないというルールがありました。
このルールによって、中国は少子化になりました。
現在は、まだまだ規制はありますが、昔に比べるとゆるくなりました。
このルールによって縛られている人達を、日本に連れてきてもらって
どんどん子供を産んでもらえば、少子化を根本的に解決する可能性があります。(相当な極論ですが。)
子供を産む人数などを、法で規制するという考えですが、
これを行うと、面倒だからこどもを産むのをやめようとかいう人が出てきて逆効果の可能性があります。
一人っ子政策のように、減少させる法律は効果を発揮しても、
増加させる法律というのは、難しい気がします。
2つめは、少子高齢化はもうどうしようもないから、少子高齢化と一緒に歩んでいこう
という考えですが、
これの場合は、消費税を上げるという考え方があります。
日本では、全人口のうち23.1%が65歳以上です。(2010年)
これが2055年になると、40.5%が65歳以上になる、という予想が立てられています。
例えば、赤字国債を発行して国を運営するという考え方がありますが、
これだと、今は良くても、将来的に40%以上の高齢者を支える若者が苦しむことになります。
でも、消費税の場合だと、年齢に関係なく平等に徴収するので、
若者だけが苦しむ、ということが減る可能性があります。
要は、若い世代の人たちは大量の団塊の世代を支えることになるのですが、
支えが弱くならないようにするためには、消費税の増税がいいよね、っていう考え方です。
だから、民主党は消費税の増税を行おうとしているのかもしれません。
今回の内容で大事なのは、
こういう事実があるということを認識することなのではないかと思います。
事実を認識した上で、問題だと思ったら問題解決に取り組んでみる
というのが、重要なのかもしれません。
個人的には問題だと思うので、
一応解決方法を考えてみました。
今回書いた以外にも、本当に様々な方法があると思います。
でも、消費税を上げることや外国人の受け入れなどは
他の国を見ている限りはアリかなって思います。
ただし、少子高齢問題に対して、正確な答えはない、ということには気をつけなければいけないと思います。
答えが出ていたら、すでに行動を起こしていると思うんで。
様々な考え方があると思いますが、
少子高齢化について一回向き合ってみるのも、おもしろいかもしれません。
コメント
「少子高齢問題に対して、正確な答えはない」のではなく、「答えはあるけど、政治的に受け入れられない」といったほうが正確な気がします。この記事に沿って言うならば、税率引き上げも、外国人受け入れも、嫌がる人が多いから、政治家もこれらを押し出すことができないのではないでしょうか。