企業の概要と雇用について -企業の本当の役割とは/雇用はどうしていけばいいのか-
資本主義市場経済のなかで社会的分業の一単位を担っているのが企業である。例えば、服飾会社、印刷会社、自動車会社など、実に様々な種類がある。企業の役割としては、財・サービスの提供、雇用の確保、人に地位や所得を与えることがある。歴史的にみると、企業の役割は財・サービスの提供や利潤の追求だけだったが、企業が大規模化するにつれて労働者の数が増え、倒産した時の社会的な打撃が大きくなったので、雇用確保という意味での安定的な経営も求められるようになってきた。近年では、公害の発生などの反省から、環境に対する責任も求められているので、企業の役割はかつてより大きくなっていると言える。
個人的見解としては、雇用の確保に関しては、産業界の解雇規制の緩和要求が強まっていることを考えればわかるように、もはや企業が担うのは厳しいのではないかと思っています。私自身は日本企業の構造的な問題(消費者の需要ではなく技術力のみで勝負する点。例えば、80インチのテレビのようなそこまで需要のなさそうな商品を作るなど)によって競争力が失われてきた部分が大きいと思っているのですが、企業の6重苦などと言われるように、企業活動が厳しい状況に追い込まれているのも事実だと思われます。こうしたことを踏まえれば、競争力強化に専念していただくためにも、雇用の確保は企業ではなく、政府に委ねられるべきなのではないでしょうか。