限りある資源を調整する方法 -値段と量のバランス-
資源には限りがあります。
資源は無限で、全員が好きなだけ好きなように使うことができるのであれば、それはそれでいいでしょうが、普通は難しいです。
そこで、資源をどのように分けるのかが重要です。
資源を分けるときの理想としては、
「資源を求めている人のところに求めているだけの資源が行くようにする」
ということになります。
つまり、資源が適切に分けられればいいというわけです。
そこで、重要になるのが、「需要」と「供給」です。
需要は、「必要とされている」という意味です。
供給は、「モノやサービスを用意する」という意味です。
(正確には難しいですが、簡単にこの程度、と思ってもらえば大丈夫です。)
なぜ、需要と供給が重要なのでしょうか。
それは、需要と供給が一致すれば、より多くの人がより幸せになるからです。
もう少し詳しく考えてみます。
企業とお客さんがいるとして、パンを売っている場合だとします。
まず、供給量が少ない場合(超過需要、需要が多い場合)ですが、需要が多いということは、欲しいと思う人がたくさんいる状態ということです。
しかし、供給量は少ないので、パンの数自体は少ないわけです。
つまり、パンを買えない人がたくさんいるので、お客さんの中には幸せじゃない人も出てきます。
逆に、需要量が少ない場合(超過供給、供給が多い場合)ですが、供給が多いということは、欲しいと思うすべてのお客さんにパンがわたる可能性があります。
しかし、需要量は少ないので、逆にパンが余ってしまうことになります。
この場合、お客さんは嬉しいですが、一方でパンが余ってしまうので、企業は困ってしまいます。
(企業は、パンを作るのにもお金がかかっているので、パンを売ってお金にすることで、在庫を出来る限りなくしたいからです。)
そこで、企業もお客さんも最も幸せになる方法とはなんでしょうか?
それは、
「需要と供給が一致する状態」です。
こうすると、商品も余らず、全ての商品が欲しいと思っている人の手にわたります。
なので、需要と供給が一致するように、調整することが大切になります。
では、需要と供給のどちらを調整するべきなのでしょうか?
考えとして、需要調整派と供給調整派があるので、両方を考える必要があります。
ただし、需要と供給を考える前に、一つおさえておきたいことがあります。
需要と供給はどうやって調整するのでしょうか?
供給は、商品の数で決まるので、商品の量(個数)を調整すればいいということになります。
需要は、価格で決まります。価格を高くしすぎると需要が多くなり、欲しい人の手にわたらなくなる可能性がでてきます。逆に、価格を安くしすぎると需要が少なくなり、供給が多くなるため、商品が余ってしまう可能性が出てきます。
なので、価格で需要を、個数で供給を調整するということが大切になります。
ちょっと話が難しくなったので、改めて需要派と供給派で考えてみます。
まず、需要派ですが、需要派は「価格の調整」が重要だと考えます。
値段を下げれば売れますが、値段を上げると売れにくくなります。
そのため、価格の調整が大事だと考えます。
ある意味当然のことを言っていますが、実はそうならない場合もあります。
それは、
「家計の所得が増えて、買う商品が変わった」場合です。
例えば、今までは安いお肉を買っていたけど、収入が増えたので松坂牛を買うようになった、という場合です。
本来は、値段が安くなるから需要が増えるという話だったはずが、値段が所得によっては需要が減ってしまう場合もあるわけです。
つまり、収入が多いほうがより高いものを買う可能性があります。
そのため、値段が高い商品のほうが多く買われる、という場合も否定できません。
値段が高いほうが需要も増えて供給も増えると考えた場合、需要も供給もバランスがおかしくなってしまいます。
そこで、今度は供給派を考えてみます。
供給派は、個数の問題だと考えるので、個数を増やしたり減らしたりします。
人々が欲しいと思っている分だけ個数を用意できればいいことになります。
人々が欲しいと思っていたら個数を増やし、人々が欲しくないと思っていたら、個数を減らせばいいわけです。
ただし、これも問題があります。
同じように、「家計の収入が変わって、買う商品が変わった場合」は、
需要と供給の関係がゆがんでしまいます。
需要なのか、供給なのか、については
どちらがいいとは言えませんが、
出来る限り需要と供給を近づけることが、より多くの人が幸せになることができることになるので、
方法も含めて、どちらをどうコントロールするかを考えるのが大切なようです。