「未来の働き方を考えよう」を読んで
自分の現在の働き方に本当に満足しているか、もしくは今の働き方を続けて今後本当に満足できるかどうかを問いかける書。決して今の働き方を否定するものではなく、もう一度深く考え直してみようと提案する書。
本書の前半は、さまざまな社会変化(長寿化、家族形態、グローバル化によるパワーシフトなど)を捉えることで、働き方にも多様性があってもいいんじゃないか、むしろ一つの会社にとどまることのほうがリスクは大きい時代なんじゃないかと分析しています。
後半は、こうした社会変化を踏まえた上で、さまざまなセカンドキャリアの例を紹介しながら、自分なりの働き方、人生を設計してみよう、と提案している。
非常に示唆に富む内容でした。表紙や文章は非常に柔らかいのですが、中身は非常に濃いです。私も人生で二回以上、働き方を変えたいと思ったし、前述の社会変化を踏まえればそのほうが圧倒的に合理的だと思いました。
ただ、どうしても「そういう働き方で食べていけるのか?」と考えてしまうのですが、そんなことよりも、いつ死ぬのかわからないのだから(本書では人生の有限感と呼んでいます)、先のわからない将来のために我慢などせず、「今の働き方が本当に楽しいかどうかを問うこと、楽しくないのであれば楽しくするためにどうすればよいのかを考えること」のほうがよっぽど重要だと思わされました。
また、多様な働き方を実現する上での大前提として、自身が「市場で稼ぐ力」を身につける必要があるなと思いました。いくら多様な働き方を求めても、自身が市場から求められる力を持たなければ到底実現できない働き方だということも感じました。本書の趣旨としては「多様な働き方の推奨」が主軸だと思いますが、個人的には「市場で稼ぐ力」を身につけることが最優先だと感じさせられました。