鎌倉時代の武士について① -武士の生活-
鎌倉時代の武士の生活について考えてみます
・武士の生活について
・当時の武士は、開発領主に近いものがあった
→そのため、昔からの土地に住み着いて、土地を拡大してきた
・武士は河川の近くで若干高い所に館を作り、周りには堀、溝、塀などを
設置して住んでいた
※館は、武芸の練習の場所や防御施設などを備えた一つの城であり、
農業を経営するための中心的な施設でもあった
・舘の近くには、年貢や公事などの税がかからない直営地を作って、下人や土地の内部に
住んでいる農民を使って耕作させた
※直営地は、佃、門田、正作、用作などと呼ばれた
・荒野を開発した
・武士は、地頭などのような土地の管理者として、農民から年貢を集めて、国衙や荘園領主に納めた
→武士は加徴米などを得ていた
※加徴米・・農民が年貢と一緒に徴収されたお米のこと
・武士は、分割相続が基本だったが、それぞれの武士が一族の血縁的な縛りによって、
宗家(一門や一族の中心になる家柄のこと)を首長として、武士の活動を広げていった
※分割相続・・自分の一族の子弟達に土地を与えるスタイルのこと
・当時の家族制度は、女性の地位が比較的高く、相続の時も男性と同じように
財産の分配を受け取ることができた
※女性が御家人や地頭になることもあった
・当時の結婚の形態は、嫁入婚が一般的だった
※嫁入婚・・嫁が婿のところに行く結婚スタイルのこと
・宗家や分家(一族の一人が抜け出して、新しく一族を作ること)の集団を、
当時は一門、一家と名づけた
→宗家のトップを、惣領(家督)、それ以外を庶子と呼んだ
※・一門は、戦時には団結して戦い、惣領が指揮を取る人になった
・一門は、普段は先祖の祭りや一門の氏神の祭りは惣領だけの権利であり、
義務でもあった
=このように、惣領を中心とした体制を惣領制と言う
※鎌倉幕府の政治や軍事の体制は惣領制が使われていた
・惣領の権利について
→・幕府への軍事勤務(軍役)、荘園領主、国衙への年貢、公事の納入は、
惣領が責任者になって一門の庶子達への割り当てを行い、まとめて奉仕を行った
・庶子も御家人だったが、直接ではなく、惣領を通じてだけで幕府と結ばれていた
・武士は、質素な生活を行っていた
・武士は、自分の地位を守るために武芸を身につけることが重要だとされた
→そのため、常に流鏑馬、笠懸、犬追物、巻狩などと呼ばれる訓練を行っていた
・武士の日常生活の中から生まれた道徳は、武勇を重視すること、主人に対して身を捧げること、
一門、一家を尊敬すること、恥を知る態度を知ること、などを特徴としている
※この特徴が、後の武士道の考え方の土台になった
ポイント
・鎌倉時代の武士についておさえる
このあたりが今回のポイントです