室町時代の農業と商工業について
室町時代の農業と商工業について考えてみます
・当時の農業について
※当時の農業の大きな特徴は、土地の生産性を上げるために、集約的かつ多角的だった
ということだと言われている
・当時の畿内では、灌漑や排水の施設が整備されたり改善されたりしたため、
三毛作も行われるようになった
※三毛作・・同じ土地で1年間に3種類の作物を作ること
・水稲の品種改良が進んだので、早稲、中稲、晩稲という3種類の品種の稲が作られた
・肥料に、今までの刈敷や草木灰に加えて、下肥というものが使われるようになった
→そのため、土地と収穫が安定してきたと言われている
・手工業の原料(苧、桑、漆、藍、茶など)の栽培が盛んになった
→農村での加工業も発達したので、原料が商品として出回るようになった
=このような向上は、農民の生活の向上、モノの需要の増加などを生み、
農村で商品経済が浸透したと言われている
・当時の商工業について
・当時は、農業と農民の生活が向上したため、商工業などの地方の産業が盛んになった
→中でも、地方の特色を生かした地方の特産品が作られるようになった
※当時の特産物について
・加賀や丹後・・絹織物
・美濃・・美濃紙
・播磨・・杉原紙
・備前・・刀
・河内・・鍋
・京都・・高級絹織物
・美濃や尾張・・陶器
・能登や筑前・・釜
・河内や大和や摂津・・酒 etc
→刀は、国内での消費だけでなく、日明貿易という貿易の時に輸出する商品
としても重宝された
・製塩(塩を作ること)のための塩田が2種類出てきた
・自然浜(揚げ浜)・・ほとんど手を加えていない塩田のこと
・古式入浜(後の入浜塩田)・・砂浜を堤で囲った砂浜に、潮の満ち引きを利用して
海水を取り入れる塩田のこと
・地方の市場は、今までは月に3回開いていたが、応仁の乱が起きてからは
月に6回開かれるようになった
=月に6回開かれる市を、六斎市と言う
・当時は、連雀商人や振売と呼ばれる行商人の数が増えて行った
※・連雀商人・・連雀という道具を使って行商した商人のこと
・振売・・商品を担いで、モノの名前を言いながら売り歩いた商人のこと
→連雀商人や振売には、大原女や桂女を始めとして、女性の活躍が増えてきた
※・大原女・・炭や薪を売る商人のこと
・桂女・・鵜飼いの集団で、鮎を売る商人のこと
※女性は、金融業などにも進出していたと言われている
・京都の米場や淀の魚市と呼ばれるような、ある特定の商品だけを売る市場が出てきた
・手工業や商人の座(同業組合のこと)の種類が圧倒的に増えた
※中には、大寺社や天皇家から神人、供御人という称号与えられたことを理由に、
関銭の免除や広い範囲での独占的な販売の権利を認められて、
全国レベルで活動した座もあった
※様々な免除を受けた例
・灯炉供御人(鋳物師)は、蔵人所を本所として、朝廷の権力によって
関銭を免除されて、全国レベルで商売を行った
・大山崎の油神人(油座)は、石清水八幡宮を本所として、幅広い油の販売と、
荏胡麻(油の原料)を買う独占権を持っていた
※15世紀以降は、座に加わらない新しい商人が出てきたり、
本所を持たない座(仲間)が増えてきた
ポイント
・室町時代の農業についておさえる
・室町時代の商工業についておさえる
このあたりが今回のポイントです
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うぇ