日清戦争と三国干渉について
日清戦争と三国干渉について考えてみます
・日清戦争とその流れについて
・天津条約が結ばれた後に、日本は朝鮮に対する影響力を強くしようとした
→そこで日本は、軍事力を高めると同時に、清の軍事力を武器にして
日本に抵抗する朝鮮との対立を深めた
※どのような軍事力の強化を行ったのか
・1878年に、参謀本部という機関を作って、
統帥部(軍事を指揮する部)を強化した
・1882年に軍人勅諭を出して、軍人が天皇に誓う気持ちを高めさせた
・1888年に陸軍が鎮台から師団という軍隊に変わった
※朝鮮との対立が深まったことで、日本と朝鮮はどのような行動を取ったのか
・朝鮮は1889年から、防穀令(穀物の輸出を禁止した法律のこと)を出した
・日本は防穀令を廃止させた上で、輸出を禁止していた間の損害賠償を要求した
→1893年に要求が通った
・1894年に、甲午農民戦争(東学の乱)という反乱が起きた
※甲午農民戦争・・朝鮮で東学の信徒を中心に、農民が朝鮮の政府に対して
減税と日本の排除を求めた反乱のこと
東学・・キリスト教(西学)に反対する民族宗教のこと
→農民の反乱は、東学の幹部によって指導されて、
朝鮮半島の南部を制圧するほどの勢いになった
・甲午農民戦争が起きた時に、清は朝鮮の政府にお願いされて朝鮮に兵隊を送ると同時に、
天津条約のルールに従って日本に兵隊を送ったことを報告した
→日本は、この報告を受けて朝鮮に兵隊を送った
→上のように、両方の国から軍が来てしまうような状況だったので、
農民の反乱軍はすぐに朝鮮の政府と和解した
・しかし、日本と清は朝鮮の政治改革について揉めてしまい、
結果的に日本と清が戦う状態になってしまった
※イギリスは、最初は日本の出兵に批判的だった
→しかし、日英通商航海条約に調印してからイギリスは態度を変えて、
日本に友好的になった
=そのため、世界での地位や国際情勢は日本の方が有利だった
・1894年8月に日本は清に宣戦布告をした
=この動きによって、日清戦争がはじまった
・日清戦争の状況について
・日清戦争が始まったらすぐに、政党が政府の批判を中止した
→そのため、議会は戦争に関する予算や法律案などを全て承認していった
※日清戦争にかかった費用は約2億円で、
当時の国家予算の2倍ほど使ったと言われている
・戦争は、軍隊の育成や新しい兵器の使用などを多く行っていた日本が
圧倒的に有利な状況になった
・日本は、清の軍隊を朝鮮から追い出した
→その後、遼東半島という半島を占領した
→さらにその後、黄海という場所での海戦(海での戦い)を行い、
清の北洋艦隊という艦隊を撃破した
→最終的に、清の拠点である威海衛という場所を占領した
=結果、日本の勝利に終わった
・勝利の結果、1895年4月に、日本の伊藤博文・陸奥宗光と清の李鴻章という
人達との間で、下関条約という条約が結ばれた
※下関条約の内容について
・清は朝鮮の独立を認める
・遼東半島、台湾、澎湖諸島という場所を日本にゆずる
・賠償金として2億テール(当時の日本円で3億1000万円)を日本に支払う
・新しく、沙市、重慶、蘇州、杭州という4つの港を開く など
・三国干渉について
・遼東半島を日本にゆずるという内容に、ロシアが反応した
※ロシアは、東アジアに進出することを考えていたため、
遼東半島が日本に移ることに反応した
・そこでロシアは、フランスとドイツを誘って、遼東半島を清に返すことを日本に求めた
=この動きを、三国干渉という
・日本は、3つの国に反抗することは無理だと考えた
→そのため、日本は遼東半島を清に返した
※この時に日本は、「臥薪嘗胆」という考えがあった
→そのため、国民のロシアに対する怒りが増えてきた風潮を使って、
日本は軍備を拡大させていった
・臥薪嘗胆・・復讐したり、目標を達成したりするために辛く苦しい思いをして
努力をすること
・日本政府は、遼東半島を返してしまった分、新しく得た台湾を治めることに力を入れた
→そこで、日本は1895年に樺山資紀という人を台湾総督に任命した
※樺山資紀は台湾の人の抵抗を武力で抑えつけることを行っていた
※台湾総督・・行政などを指揮する台湾総督府のトップの人のこと
・台湾の統治について
・台湾総督は、基本的に陸軍か海軍の大将か中将が任命された
・台湾総督には、軍事を指揮する権利、行政や司法や立法を動かす権利などがあった
・1898年から、台湾総督の児玉源太郎という人の下で、
後藤新平という人が台湾の人々の幸福度を
高めるような政治を目指して、以下のような行動を取った
→・土地調査事業を行い、土地制度を近代化させようとした
・台湾銀行や台湾製糖会社などを作って、産業を成長させようとした
・台湾の支配は、現地の商人や地主などのようなお金を持っている層を
納得させて上手く取り込みながら行われた
・一方で、お金が無い農民などは、日本の支配に対して抵抗し続けた
※そのため、時々日本に反抗するような乱を起こすことがあった
→日本は、反乱に対しては徹底して弾圧していった
※日本が台湾を支配する状況は1945年まで続いた
ポイント
・日清戦争までの流れを押さえる
・日清戦争の内容を押さえる
・日清戦争のその後を、三国干渉を中心に押さえる
このあたりが今回のポイントです