資源の利用の歴史とエネルギーの分布について
資源の利用の歴史と、エネルギーの分布について考えてみます
・資源の利用の歴史について
・産業革命以前
→木材、水力、風力など、再生可能な資源を小規模で利用するという
資源の使い方をしていた
・18世紀半ばの産業革命以降
→蒸気機関や動力機械が使われるようになったため、石炭の大量消費が進んだ
・20世紀の始め
→自動車の燃料、樹脂やゴムなどの合成原料用として石油の需要が増えた
・1960年代後半
→石炭にかわって、石油の使用量が急増した
=この動きをエネルギー革命という
※石炭から石油にかわることのメリット
・石油が石炭に比べて、熱効率が高い
・石油が流体だから、輸送費が安い大型のタンカーやパイプラインで運べる
※現在でも石油はエネルギーの中心だが、天然ガスの利用が盛んになりつつある
・現在
→地球温暖化の原因と考えられる二酸化炭素の排出の抑制のために、
化石燃料にかわるエネルギー開発の取り組みが今後の大きな課題だとされている
・石油について
・石油は、1次エネルギーの中で最も消費量が多い
※石炭や石油を1次エネルギー、電力などの1次エネルギーから作られるエネルギーを
2次エネルギーという
・石油の埋蔵量と生産量は、地域的に著しく偏っていて、以下のような流れと特徴がある
→・世界の原油の確認埋蔵量のうち、約60%は西アジアにある
※西アジアは、1960年代にはいって大規模な新しい油田が
あいついで発見かつ開発された
=その結果、西アジア今まで最大の産油国だったアメリカ合衆国を追い抜いた
・1980年代以降は、世界の他の地域でも油田の開発が盛んに進められた
・イギリスをはじめとする北海油田周辺国、ベネズエラやメキシコ、
インドネシアやブルネイやマレーシア、ロシアなどでも、油田開発が進められた
※しかし、どの地域も埋蔵量が西アジアほど豊かではない
・石油は、以下のようにして用いられている
→・自動車、航空機の動力や火力発電など広範囲に燃料として利用される
・家庭用灯油、プラスチック、化学繊維などの原料
・石炭について
・石炭は、化石燃料の中で最も埋蔵量が多い
※石炭は、熱量に換算すると石油の4倍以上あると推定されている
・石炭の大半は、ユーラシア大陸やアメリカ大陸の古期造山帯に広く分布している
→中でも、中国、アメリカ、ロシアに多く分布している
※原油に比べて分布の範囲は広い
・日本でも、原油に比べると埋蔵量は多いが、豊富とは言えない
※日本の石炭生産は、北海道の釧路の炭鉱を残すのみとなった
・現在、日本は世界最大の石炭輸入国であり、石炭火力発電や製鉄の原料として使われている
・天然ガスについて
・天然ガスは、発熱量が石炭や石油よりも大きく、燃焼による汚染物質もほとんど出ない
※そのため、天然ガスはクリーンなエネルギーとして重要視されている
・ロシアやアメリカなどに多く分布している
・天然ガスは、冷却して液化すると体積が600分の1になる
=冷却して液化した天然ガスを、LNG(液化天然ガス)という
※LNGのほかに、LPG(液化石油ガス)があり、LPGはプロパンガスと呼ばれる
※液化天然ガスは体積が小さくなるため、天然ガスは大量輸送が可能になる
→輸送技術の発達によって、1970年代以降、天然ガスの1次エネルギーの消費量に
占める割合が高まってきた
・天然ガスは、以下のようにして用いられている
→・発電用燃料
・家庭用を中心とした都市ガス原料
※そのため、需要が増えてきている
・日本は、以下のようなところから主に輸入している
→・東南アジア(インドネシア、マレーシア)
・西アジア(オーストラリア、カタール、アラブ首長国連邦) など
ポイント
・資源の利用の歴史についておさえる
・それぞれのエネルギー(石炭、石油、天然ガス)の分布についておさえる
このあたりが今回のポイントです