資源ナショナリズムと資源争いによる各国の対立について
資源ナショナリズムと資源争いによる各国の対立について考えてみます
・資源ナショナリズムについて
※世界のエネルギー資源や鉱山資源の多くは、発展途上国に分布している
→しかし、その大半は先進国が自分の国の工業の原料として大量に消費している
・西アジアの産油国は、石油資源に恵まれていたものの、
その開発や精製の技術を持っていなかった
→そのため西アジアは、イギリス、フランス、オランダ、アメリカなどの
メジャー(国際石油資本)から、限られた利権を受け取っていただけだった
※利権の大部分は、先進国に持ち去られていた
→上に対して、資源ナショナリズムという考え方が出てきた
※資源ナショナリズム・・自分の国の資源を経済的自立と発展に
結びつけようとする動きのこと
=そこで、外国資本の支配に不満を持った産油国は、
1960年に石油輸出国機構(OPEC)を結成した
→その後POECは、2度の中東戦争を経験して、原油の価格や産油量の決定権を獲得した
→1973年と1979年には、産油国と輸出量の制限によって、原油価格が急騰した
=その結果、石油危機(オイルショック)ということが起きた
※石油危機の各国への影響
・産油国に巨額の石油の収入を得た
・非産油国は深刻なエネルギー不足におちいった
・日本は、物資不足、企業の価格引き上げ、消費者の買いだめなど、
経済混乱が起きた
・1980年代になると、以下のようなことが起きた
→・石油危機を背景に、先進国で石油の備蓄や省エネルギー、
エネルギー源の多様化が見られるようになった
・メキシコ、ノルウェー、イギリスなど、非OPEC加盟国の産油量が増えた
=これらの影響があって、原油価格が下がり始めた
※現在は、原油の高価格を維持するために欠かせなかったOPECによる原油の生産調整が、
加盟国間の意見の対立を理由に、だんだんと機能しなくなってきていると言われている
・資源争いによる各国の対立について
※20世紀後半のエネルギー革命以後、石油の確保のために、
世界各地で激しい争いが起きている
・世界では、資源に関する争いで、以下のようなものがある
→・第4次中東戦争で、アラブ側が石油を武器として政治的な優位を実現した
・イラン・イラク戦争、ロシアのチェチェン戦争は、民族と宗教問題に加えて、
石油の利権が関係している
・イラクのクウェート侵攻に始まる湾岸戦争も、背景に石油問題が絡んでいる
と言われている
・イラク戦争も石油問題が関連している
・アフリカでは、石油をめぐって発生したナイジェリアの内戦が
21世紀に入って再燃している
・アジアでは、南沙諸島というところの領有権をめぐる争いが問題だとされている
※これは、周辺の海域に海底油田があるとされることが原因だとされている
・東シナ海の海底油田などは、日本と中国との間で問題だとされている
ポイント
・資源ナショナリズムについておさえる
・資源争いによる各国の対立についておさえる
このあたりが今回のポイントです