世界の民族と領土の問題について -歴史・言語・宗教・領土-
世界の民族と領土の問題について、いくつかの視点から考えてみます
・紛争の歴史的な流れについて
・20世紀初頭
→・世界全体が、軍事力を使って国家の利益を拡げていこうとした
・上のような考え方によって、2回の世界大戦を行った
・第二次世界大戦後
→・世界が、アメリカを中心とする西側の資本主義陣営と、
ソ連を中心とする東側の社会主義陣営に分かれた
→この動きによって、東西冷戦の時代が始まった
※東西冷戦の時は、朝鮮戦争やベトナム戦争など、
アメリカとソ連の傘下だった地域で紛争が起きた
・1980年代
→・東側の多くの国々で、社会主義体制や独裁的な政治経済体制が
国民の反発を招いたため、社会主義体制が崩壊した
・冷戦が終わるころ
→・言語や宗教の違いを理由とする紛争が起きるようになった
※特に、2001年アメリカで起きた同時多発テロ以降は、
イスラーム社会と西ヨーロッパ社会との間に、民族間の対立が増え、
各地で問題が起こるようになった
・言語と宗教の問題について
※言語は、様々な出来事や日常生活など、多くの場面で重要だとされている
→そのため、同じ国の中で2つ以上の民族がそれぞれ違う言語を持っている場合、
どの言語を公用語にするかで対立が起きやすい
=そのため、以下のような動きをとる場合がある
・複数の言語を公用語にする
・多民族から成り立つ国家は、植民地時代に使われた英語やフランス語を
公用語とする場合がある
・宗教は、一定の教えがあるため、その教えに批判的な意見を持つ人々との間で
対立が起こる場合がある
→そのため、特定の宗教を信じるために、権利の制約や迫害が起こると、
宗教を理由に抵抗運動を起こして、紛争に発展する場合がある
※さらに、民族の違いと宗教の違いが重なってしまうと、紛争が激しくなる
→宗教による対立の例として、以下のようなものがある
・北アイルランド
→カトリック系とプロテスタント系の住民の対立が続いている
・ロシア連邦内のチェチェン共和国
→ムスリムが多いチェチェン民族が、キリスト教徒が多いロシアからの独立を
目指している など
※民族の違いが、すぐに対立を引き起こすわけではないということを意識する必要がある
=現在、世界で起こっている民族問題の多くは、ある国の中で特定の民族が
支配的な力を持ったために、他の民族との間で対立が起きている
・領土の問題について
・領土の問題については、以下のような事例がある
→・西アジアやアフリカ
→ヨーロッパの国々が植民地の統治のために、お互いの利害関係で
国境線を決めたため、その後に独立した国どうしで、国境線で争うことになった
・カシミール地方
→1947年のインドとパキスタンの分離独立の時に、
どちらに帰属するかでパキスタン派とインド派に分かれ、
ムスリムがパキスタンを、ヒンドゥー教徒がインドを選んだため、紛争が起きた
・南シナ海の南沙諸島
→この地域の水産資源や海底資源などをめぐって、中国や東南アジアの国々が
領有を主張して争っている
=このような紛争は、実際に紛争を起こしている地域だけで解決することが難しいため、
国連などの国際機関の動きが重要だと言われている
ポイント
・紛争の歴史的な流れについておさえる
・言語と宗教の問題についておさえる
・領土の問題についておさえる
このあたりが今回のポイントです