発生のしくみ① -受精卵から神経胚期までの発生-

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投稿者:       投稿日時:2013/11/12 01:30      
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発生の仕組みについて①

 

※発生には、2つの説がある

 ・前成説・・・17~18世紀に出た説で、卵や精子の中に

        個体のもと(ミニチュア)が入っている

 ・後成説・・・発生初期の単純なもの(未分化)から、だんだんと複雑なもの(分化)に

        なっていく

 

 

 

1、受精卵から胞胚期にかけての変化

 

(1)モザイク卵と調節卵

  ・モザイク卵・・・将来、体のどの部分になるか(予定運命)が決定している

  ・調節卵・・・予定運命は発生が進むにつれて、だんだんと決定していく

 

 

①クシクラゲの実験

 ・クシ板(繊毛列)が8列あるのが普通

  ※2細胞期  →  4列×2個体

        分離             =クシクラゲ卵は、モザイク卵と見える

   4細胞期  →  2列×4個体

 

         ↓

 

  ※未受精卵を2つに分けて、それぞれ受精させる  →  8列×2個体

   =クシクラゲ卵も受精前は調節卵だと考えられる

 

 

②ルーの実験(イモリ、2細胞期)

 ・イモリの卵を焼殺すると、体が半分出来る(半胚)

   ※これは、一見するとイモリ卵がモザイク卵に見える

 ・イモリの卵を分離すると、死割球と生割球が出来て、正常幼生が出来る

   =イモリ卵は調節卵であることが分かる

 

 

 

 

2、胞胚期以降から神経胚期にかけての変化

 

(1)原基分布図(予定運命図)

   ※原基分布図は、フォークトの局所生体染色法が有名

    →・フォークトは、無害な色素で胚を染め分けて、各部の予定運命を調べた

     ・フォークトは、中性赤、ナイル青などを用いた(拡散しにくく、色落ちしにくい)

 

 

(2)分化の決定

   ※分化の決定の有名な実験に、シュペーマンの交換移植実験があり、

    イモリの体色の違う2系統を用いた

 

①原腸胚初期

 ・Aのイモリ卵とBのイモリ卵を用意する

 ・Aのイモリ卵にBのイモリ卵の核を移植する → すると、Bの核は表皮になる

 ・Bのイモリ卵にAのイモリ卵の核を移植する → すると、Aの核は神経になる

  =つまり、原腸胚初期では、まだ予定運命を決定していない

 

②神経胚初期

 ・Aのイモリ神経胚とBのイモリ神経胚を用意する

 ・Aの神経胚にBの神経胚を移植する → すると、Bの神経胚は表皮になる

 ・Bの神経胚にAの神経胚を移植する → すると、Aの神経胚は神経になる

 

 →①と②からわかること

  =表皮になるか神経になるか、予定運命の決定は、原腸胚初期から神経胚初期の間で起こる

 

 

(3)形成体と誘導

   ※代表的な実験に、シュペーマンの原口背唇部移植実験がある

 

 ・イモリの原口背唇部を胞胚腔に移植する

 ・すると、イモリに頭が2つ出来た

 ・さらに、二次胚の脊索が黒色だった

 

 →この実験からわかること

  =原口背唇部は、自らは脊索になると同時に、接する外胚葉を神経管に分化させる

   ※この働きを誘導といい、この働きを持つ部分を形成体(オーガナイザー)という

 

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