道家思想 -老子と荘子-
道家思想を考えます
・道家思想
・道家思想の中心は老子と荘子で、思想の中心は道(タオ)だった
※道とは・・全てのものがそこから生まれ、そこへ帰るという、
全てのものの存在の根本のこと
※ただし、道はそれ自体では捉えられないため、別名を無と言う
→道は根本のため、何もしない(=無為)。さらに、道は他者によって動かされず、
道は道でしかない(=自然)とした
・老子の考え方
・道は全てのものに影響を与えるため、宇宙や人間は
どうしても全てのものと調和せざるを得ないと考えた
※そのため、「大道廃れて仁義あり」というように、
儒家が仁義を強調することは道から外れていると考えた
→そこで老子は本来の生き方を考えた
・老子が考える本来の生き方
・一切の作為(わざと手を加えること)をやめ、道に従い、自然に身を任せる=無為自然
・自分の欲を捨て、柔和(やわらかく)で謙虚な心を持って人と接する=柔和謙下
→この2つだと考えた
※老子は、政治も自然に任せるべきだと考え、
素朴な農村のような少数の人からなる小国家(=小国寡民)を理想とした
・荘子について
・荘子は、老子の考え方を発展させた
・荘子の考え方
・人々には、意見の食い違いや差別があるが、この意見の食い違いや差別は、
人間が勝手に思っていること(=相対的に考えている、相対的な世界)だと考えた
→だから、人間関係から離れれば、
ありのままの自然が生まれ、差別のない、全てが等しい世界(万物斉同)になると考えた
・荘子の考える理想
→・戦乱の世界から離れ、自然に身をゆだねて、
人が自由に遊ぶこと=逍遥遊(しょうようゆう)だと考えた
※これは、老子とは違う無為自然の考え方と言える
→この理想を達成した人のことを真人と呼んだ
※老子と荘子は現実逃避な感じで消極的に思われがちだが、
厳しい現実社会から離れ、自分を見つめ直すべきだというメッセージを発信している
と考えられている
ポイント
・道家思想の中心は老子と荘子で、思想の中心を道とし、道は無為であり、自然であると考えた
・老子は宇宙や人間と調和せざるを得ないと考え、無為自然、柔弱謙下、小国寡民を提唱した
・荘子は万物斉同を提唱し、逍遥遊を理想とした
※荘子の理想とした人を真人と呼んだ