朱子学と陽明学について
朱子学と陽明学について考えます
・朱子学と陽明学が誕生するまでの経緯
→①漢の時代に、四書五経を代表とする儒教の古典が成立した
②その後、儒教の四書五経の内容を解釈していくための学問として、
経学というのが生まれる
③経学の中で、四書派と五経派に分かれる
④五経の字や句点などの解釈をする訓詁学が、五経を使って発達した
また、四書を解釈する朱子学と陽明学が、四書を元に誕生した
→ここでは、朱子学と陽明学の考え方を見ていく
・朱子学
・完成させたのは朱子という人で、朱子は理気二元論を打ち立てた
※理気二元論とは・・全てのものは理と気から出来ている、という考え方
・理:宇宙から人間まで、全てを支配する最高のルールの根本のこと
・気:全ての物を作るための物質のこと(ただし、具体的に何かは分からない)
※朱子は、気の中に理があると考えた
→この2つが互いに効果を表すことで、全てのものは成り立つとした
・朱子のもう一つの考え方
・朱子は徳治主義を発展させて、自己修養(修己)の考えを生み出した
※自己修養:よりよい徳治主義のこと
・朱子が自己修養を達成させるために考えたこと
・朱子は、-・自分の中にある理に基づいて、欲を抑えて言動をつつしむ=居敬
・外の物の一つ一つの理を極める=格物窮理
→この2つを重視した
→居敬と格物窮理を合わせて居敬窮理と言い、この居敬窮理によって、
知(智)を極めるべきだとした
=この考え方を格物致知と言う
・陽明学
・王陽明(王守仁)が提唱し、朱子学を批判した
・王陽明の考え方
・王陽明は、人間の心がそのまま理である(=心即理)と考えた
※朱子は気の中に理があるとして、気と理を別々に考えたため、
王陽明は朱子を性即理だと考えた
・心即理には、元々良知(良い知)があるとした上で、
良知を窮めること(=致良知)を目指すべきだとした
→この2つから王陽明は、「知」を知っていても、活用しなければ意味がないと考えた
→そのため、王陽明は実践を重視した考え方(=知行合一説)を主張した
※知行合一説:知識と行動は一体である、という考え方
=知識を行動に反映させないと意味がない
ポイント
・四書五経の解釈の一つとして、朱子学と陽明学が生まれた
・朱子学の中心は朱子で、朱子が理気二元論を打ち立てた
※理と気と理気二元論の考え方を抑える
・朱子は自己修養の考え方を生み出した
→自己修養達成のために、居敬窮理によって知を窮めるべきだと考え、
この考え方を格物致知と言う
・王陽明が陽明学を提唱し、朱子学を批判した
・王陽明は心即理を考え、朱子学を性即理とし、心即理で致良知を目指すべきだとした
・王陽明は、知を知っていても、活用しなければ意味がないと考え、知行合一説を主張した