昭和初期の思想・超国家主義・現代の日本の思想の状況について

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投稿者:       投稿日時:2013/11/15 05:35      
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昭和初期の思想と超国家主義、現代の日本思想の状況について考えます

 

 

・昭和初期の思想に影響を与えた人達について

 

 

 ・宮沢賢治-・自我は、自我だけでは存在せず、様々な事象や物事と一緒に

        現れたり消えたりするものであると考えた

       ・法華経信仰を伝える人を目指したが、病気の身だったので、

        達成できなかった

        →そこで、農学校の教師になり、農民の相談を受けるようになった

       ・自我を四次元に拡張させる新しい農民の芸術を作った

        →そのため、多くの詩や童話を作った

 

 

 ・小林秀雄-・近代の日本の思想は、表面上変わるだけで、

        その時々の流行でしかないことを批判した

        →そこで、自分の根底を徹底的に知ることが重要だと考えた

       ・ランボーやベルクソンという人達などに魅力を感じ、

        詩と哲学をつなげることを考え、批評という新しい考え方の形を生み出した

 

 

 ・柳田国男-・「遠野物語」という本を書いた

       ・民族学を作り、村落共同体で生活している人(=常民)の

        生活の様子から思想を作ろうとした

        ※知識人が書いた本などではなく、常民の信仰や行事、慣習などの中から

         思想を探した

       ・人々が空想で描いている世界よりも、現実の方が

        圧倒的に多くの意味を持っていて、奥が深いと考えた

 

 

 ・折口信夫-・「古代研究」などの本を書いた

       ・神は、豊穣と光明の世界から定期的に

        村落を訪れる「まれびと(客人)」だと考えた

       ・和歌や物語などは、神と関係して発せられた言葉から

        生まれたものであると考えた

 

 →柳田国男や折口信夫の研究内容は、本居宣長や平田篤胤の考え方を批判しつつ

  継承した側面があった

  =そのため、柳田国男や折口信夫の研究内容は、新国学とも呼ばれた

 

 

 ・北一輝-・「日本改造法案大綱」というものの中で、2つのことを考えた

       →・クーデターを起こして、天皇と国民が直接的な関係になるようにして、

         富を平等に分けるべき

        ・外国との戦争を起こして、植民地の支配を等しく、

         同じ割合に分けることが大切である

      ・北一輝は、中国の辛亥革命に加わったり、昭和維新運動を展開したりした

      ・二・二六事件の首謀者とみなされて、翌年に死刑となった

       

 

 ※北一輝が活躍した当時(昭和時代初期)は、超国家主義という

  極端な国家主義の考え方があった

 ※また、満州事変をきっかけに軍国主義が大きくなっていき、

  自由主義も制限されるようになっていった

 

 →このような流れの中で、美濃部達吉、津田左右吉という二人の人が現れた

 

 

 ・美濃部達吉-・天皇機関説を提唱したが、

         日本の国体(天皇を「現人神」とする国柄)に反する学説だとして

         告発された

 

  ※天皇機関説-・統治する権利は国家にあって、天皇は国家の最高機関であるから

          憲法に従って統治する権利(統治権)を使うべき

          だと解釈する考え方のこと

         ・1935(昭和10)年に、政府は国体明徴声明

          (日本の国体は明らかな証拠があり、正しいという考え方)

          を出して、天皇機関説を否定した

 

 

 ・津田左右吉-・「神代史の新しい研究」というものを出したが、

         天皇に対する不敬罪に問われて発禁処分となった

         ※不敬罪-天皇などに尊敬の念を持たず、

              礼儀を持たないことによる罪のこと

 

 →このように、思想と学問の自由な発展は阻害されていった

 

 

 

 ※また、上のような時代を超えて、戦中、戦後は様々な動きや考えが現れ、

  価値観の崩壊や思想の混乱などがあったが、そのような状況の中で、

  坂口安吾という人が自分の考えを提唱した

 

 

 ・坂口安吾-・「堕落論」というものを発表した

       ・「堕落論」の中で、「目の前の出来事に惑わされたり、

         適当に逃げ道を作ったりするのではなく、「堕ちよ」と提唱した

        ※「堕ちよ」とはどういうことか・・

         →自分自身の本来の姿である、「孤独」に戻って、

          何もない本当の自分をちゃんと見つめることからはじめるべき

          であると考えた

 

 

ポイント

・宮沢賢治、小林秀雄の考え方を押さえる

・柳田国男は、「遠野物語」を書き、常民や現実を重視した

・折口信夫は、「古代研究」などの本を書き、客人や和歌などについて言及した

・柳田国男や折口信夫の研究内容は、新国学とも呼ばれた

・北一輝、美濃部達吉、津田左右吉などの考え方を押さえる

・美濃部達吉の天皇機関説は、政府の国体明徴声明によって否定された

・坂口安吾は、「堕落論」を発表し、「堕ちよ」と提唱した

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