西洋の中世から近世への変革② -宗教改革・ルターとカルヴァン-

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投稿者:       投稿日時:2013/11/15 06:10      
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宗教改革について考えてみます

 

 

・ルターと宗教改革について

 ・ルターは中世の教会の状況に違和感を感じていた

  

  ※中世のカトリック教会の状況

   →・教皇(ローマ・カトリック教会で最も位が高い人のこと)を頂点とした

     ピラミッド型のヒエラルキー(位階制)だったため、

     人間の自由よりも、上下関係を重視した

    ・このような状況の影響により、人々は信仰する時の純粋さを段々と失っていった

    ・中世の終わりのほうでは、罪を金銭によって解決できるとして、

     贖宥状(免罪符)が売られるようになった

 

 →このような状況に違和感を持っていたルターは、教会の様子に抗議して、

  1517年に「95カ条の意見書(論題)」というものを教会の扉に張り出した

  =これが宗教改革のスタートだと言われている

   ※ルターの考え方と行動は、当時苦しんでいたドイツの農民などに支持された

 

 

 ・ルターの考え方

  →・信仰義認説・・神によって正しい人間として認められる(義認)ためには、

           免罪符を買ったり、教会が作ったルールを守ったり、

           というような外的な行動は必要ではなく、

           個人の内面的な信仰だけが大切だと考えた

   

   ・聖書中心主義(福音主義)・・信仰の時に頼りにするものは「聖書」だけで良い、

                  という考え方のこと

                  ※「聖書」だけが、神の言葉を伝えていると考えたから

   

   ・万人司祭主義・・聖職者の権威を否定して、神を信じる人は

            誰でも平等に司祭(カトリック教会の聖職者のこと)に

            なれると考えた

 

 

 ※ルターの有名な著書に、「キリスト者の自由」というものがある

  また、宗教改革を受けて自分達の考えを改善した人々(=反宗教改革の人々)がいて、

  中心はイグナティウス=ロヨラという人達だった

 

 

 

・カルヴァンについて

 →カルヴァンは、「キリスト教鋼要」というものを書き、

  ルターの思想をさらに実践的に徹底させた

 

 ・カルヴァンの考え方

  →・神は絶対であって、全ての存在は神の支配で決まっている

    そのため、神に救われるかどうかは、各人の努力や能力は全く関係なく、

    神の意志によって決められていると考えた(=これを予定説という)

 

   ※では、自分が神に救われているということは、どうやって感じることができるのか

    →・人間は神の道具だから、人々は神のために働かなくてはいけない

      そのため、全ての職業は神から与えられた天職(神の召命)であると考えた

      =これを職業召命観という

 

    →よって、人々は自分の職業に励むことで神がどうやって救うか

     という予定を知ることができると考えた

 

 ※・カルヴァンの考え方は、「職業人(専門人)」とも言われ、

   ウェーバーという人の「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」

   という本で明らかにされた

  ・カルヴァンの考え方は、イギリスのピューリタニズムに受け継がれた

 

 

 

・宗教改革の特徴

 →・心の内面を変えようとした

  ・気持ちの面だけではなく、政治や社会をも変えようとした

 

 

ポイント

・ルターは95カ条の意見書を張り出し、信仰義認説、聖書中心主義、

 万人司祭主義などを考えた

・カルヴァンは、「キリスト教綱要」を著し、予定説や職業召命観などを考えた  

・ルネサンスと宗教改革の違い、それぞれの特徴や理想などを押さえる

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