科学主義と新たなヒューマニズムについて
科学主義と現代の新しいヒューマニズムについて考えてみます
※そもそも科学主義とは・・科学が最高のモノと考え、全ての問題が科学によって
解決できるとする考え方のこと
→しかし、科学の発達により、核兵器が作られたり、公害の問題が発生したりと、
科学による問題も出てきた
※特に、道具的理性(科学が自然を支配するという考え方のこと)は、
この考え方自体に疑問が持たれている
→・このような考え方から、科学が発達することは、本当に人々を幸せにするのか、
という問題が現在もある
・また、このような考え方に対して、クーンという人が自分の考えを提示した
・クーンについて
※クーンより前の時は、科学的な知識はベーコンの帰納法のようにして
正しい答えに近づくという方法がとられた
=このような考え方を帰納主義という
・クーンは、科学での発見の中には帰納主義では説明できないものが多いと考えた
→そこでクーンは、すでに完成されているモノの考え方や問題への意識の持ち方、
理論的枠組みをまとめてパラダイムと呼び、パラダイムを変えるべきだ
という考え方(=科学革命)を提唱した
※クーンは、科学の知識は、理論的な枠組み(パラダイム)の中で、
読みとられているにすぎないと考えた
(ある知識は国によって解釈が違うかもしれない、など、
パラダイムはその国の価値観や文化によって違う)
=そこで、科学を大きく変えるのは、理論的な枠組みを
変えること(パラダイムの変換)だと考えた
・新しい現代のヒューマニズムについて
※新しいヒューマニズムが生まれた背景について
→・科学主義には、自分の力で自分の運命を切り開いていこうとする意識があった
・しかし、科学主義が行き過ぎて、人々が自然を軽く見るようになり、
結果的に生命自体まで軽く見るようになった
・また、西洋近代の特徴として、人間を中心に考え、
自然を物質や手段としてだけで見る考え方がある
→そこで、自然と共生していく意識が必要だという考え方が生まれてきた
この意識について考えた人の代表に、シュヴァイツァーとガンディーという人達がいる
・シュヴァイツァーについて
・シュヴァイツァーは、「生命への畏敬」を提唱した
※「生命への畏敬」・・人々を愛し、大切にするだけでなく、生命あるものを
全て大切にするべきだという考え方のこと
・シュヴァイツァーは、人々は人間中心の生活を送っているから危険だと考えた
・ガンディーについて
※ガンディーが登場した当時、インドはイギリスの植民地で、
独立のための運動を行っていた
→その時にガンディーは、常に「非暴力・不殺生」を提唱し続けていた
・ガンディーは、イギリスに対してスワラージ(自治、独立)と
スワデーシー(国産品を愛用する意思)の2つを土台に抵抗運動を行った
=この抵抗運動を、サティヤーグラハ(真理把持)と呼んだ
→この正しい考えを具体的行動にしようとして、
ブラフマチャリヤー(自己浄化)とアヒンサー(非暴力・不殺生)の
2つを行おうとした
→ガンディーは、全ての生命を兄弟と考え、傷つけたり、殺したりなどを含めた様々な
暴力を否定し、肉食などを禁止した
=生きているモノ全てに徹底した愛情を注ぐという立場に立った
ポイント
・科学主義に対して、いろいろと疑問が持たれた
・クーンは、パラダイムをもとに科学革命を提唱した
・シュヴァイツァーは、「生命への畏敬」を提唱した
・ガンディーは、常に非暴力・不殺生を実践した
・ガンディーは、スワラージとスワデーシーの2つを軸とした
サティヤーグラハ(真理把持)の抵抗運動をした
→サティヤーグラハを具体的にしたものが、ブラフマチャリヤーとアヒンサーを行った
・ガンディーは、全ての生命を兄弟と考え、暴力を否定し、肉食を禁じるなど、
生命あるものに愛を注ぐ立場を取った