資本主義とユートピア的社会主義について -アダム=スミス・トマス=モア・サン=シモン・フーリエ・オーウェン-
資本主義のアダム=スミス、ユートピア的な社会主義者達について考えます
・アダム=スミスについて
・アダム=スミスは、ベンサムのような考え方を持ち、一人一人が利益を目指せば、
それが結果的に社会の幸福につながると考えた
・アダム=スミスは、上のような考え方から、「国富論」という本の中で、
資本主義が大切だと考えた
※資本主義は個人や企業が自由に利益を求めるため、
国家は人々の自由な活動を邪魔してはいけないと考えた
→そこで、国家は人々の自由を邪魔するようなものを無くしていくことを
行っていくべきだと考えた
例:犯罪を取り締まるなど
※しかし、産業革命の後に、資本主義の問題点がいくつも現れるようになってしまった
→そこで、人間の共同の意識を大切にして、モノを生産する手段を国が考えるという
社会主義の考え方が現れるようになった
・社会主義者達の考え方について
→代表的な人に、トマス=モア、サン=シモン、フーリエ、オーウェンなどがいる
・トマス=モア
・「ユートピア」という本を書いた
・トマス=モアは、ユートピアという「どこにもない」理想の社会に
現実を近づけていくべきだと考えた
・サン=シモン
・サン=シモンは、階層社会の上にいる貴族ではなく、産業に関わる国民が
社会を支配するべきだと考えた
→サン=シモンは、この考え方を土台に、全ての人が能力に応じて働き、
能力に応じた報酬を得る社会が理想だと考えた
・フーリエ
・フーリエは、現実の社会には、組織のような統一感が無いと感じた
→そこで、まとまっていて統一感のある共同社会(ファランジュ)が大切だと考えた
・オーウェン
・企業の合理的な活動と労働者の生活の改善を組み合わせるアイデアをいくつも実行した
→その中で、環境の改善が労働者の意識を変え、
労働の意欲を高めるという場面に多くであった
→このような考え方の中で、社会の理想は、共同の利益を優先し、
整備された環境があることだと考えた
→サン=シモン、フーリエ、オーウェンの3人は、「科学的社会主義」という社会主義を目指した
マルクスとエンゲルスによって、「ユートピア的社会主義者(空想的社会主義者)」と呼ばれた
※この3人は、現実社会を科学的に分析することを重視しなかったため、
社会主義を実現するための具体的な方法を提唱することができなかった
ポイント
・アダム=スミスは、資本主義を推し、国家は個人や企業の自由を邪魔してはいけないと考えた
・トマス=モアは、ユートピアを提唱し、そこに社会が近づくことが理想だと考えた
・サン=シモンは、産業に参加している国民が社会を支配し、
全員が能力に応じた対価を得ることが理想だと考えた
・フーリエは、統一ができている社会(ファランジュ)が理想だと考えた
・オーウェンは、環境を意識し、共同の利益の優先を考えた
・ユートピア的社会主義の人達は、社会主義へ向かうための具体的な方法を
提示することができなかった
このあたりが今回のポイントです