マルクスと唯物史観について -労働から見る社会主義-
社会主義の代表的な人の一人である、マルクスについて考えてみます
・マルクスについて
※マルクスは、ヘーゲルの弁証法を土台にしていると言われている
・マルクスは、動物には無く人間にだけ出来ることとして労働を挙げたため、
労働について考えた
・マルクスは、本来の労働と今の労働は全然違うものになってしまっていると考えた
・本来の労働-考えることが嬉しかったり、社会とつながっていることが
嬉しくなるような人間的なもののはず
・現在の労働-労働が強制的となり、働く人々のことを考えていないため、
非人間的で機械的なものになっている
→このような労働は、強制としか感じられず、労働から価値を見出すことができないため、
労働以外の部分で、食事をしたり、遊んだりすることで
初めて自分が生きていることを感じることができると考えた
=マルクスは、このような労働を疎外された労働(労働の疎外)と呼んだ
※マルクスは、資本主義社会での労働の中で、人間疎外を見つけたと言われている
→このような労働の疎外は、人々の能力や性格などが原因ではなく、
競争や対立を起こさせるような資本主義という仕組みが原因だから、
資本主義とは違うものとして社会主義が必要だと考えた
※疎外について、ヘーゲルとマルクスで考え方が違った
・ヘーゲル-気持ちの面で自分の理想が実現するために必要であり、
疎外に積極的な意味があった
・マルクス-実際の人間は、自分を見失って、
人間らしさが無くなってしまうことだと考えた
・マルクスの唯物史観について
・マルクスはヘーゲルの弁証法を使って物事を考えた
※しかし、ヘーゲルとマルクスで弁証法への意識が違った
→・ヘーゲル-弁証法は、精神を発達させて、歴史を語るものという意識
・マルクス-弁証法は、物質などを生産するような場面で使うものという意識
・マルクスの唯物史観という考え方について
・人間の歴史が動くための根本は、物質などを作る力(=生産力)であると考えた
・社会は、生産力の段階に応じた生産関係を持っていると考えた
※生産関係・・どのような人が生産手段を持つかで決まる、社会の仕組みのこと
原始共産制・奴隷制・封建制・資本主義制・社会主義制の
5つの段階があると考えられている
→生産力と生産関係という、この2つが土台(下部構造)になり、
土台によって政治の制度や人々の意識(上部構造)などが決まると考えた
=(経済学批判「序説」)の中で、
「人間の意識がその存在を規定するのではなく、
人間の社会的存在がその意識を固定する」と考えた
=以上のことから、物質などのモノがしっかりすることで、
人々の気持ちなどもしっかりしてくると考えた
※しかし、生産関係が発達しないで固定してしまうと、
生産力も固定させてしまう可能性があると考えた
→そこで、生産力が大きくなってきたら、必然的に生産関係を生産力に合わせて
新しい形にしていかなければいけないと考えた
→以上のように、モノの土台の上で人の気持ちや精神が作られる、
という考え方を唯物史観(史的唯物論)という
=このような考え方から、資本主義が変化していくのは当たり前であると同時に、
社会主義が重要であり、社会主義によって、労働で人々が考える喜びを
得ることができるだろうと考えた
・マルクスは、「資本論」や「経済学批判」などを書き、友人にエンゲルスという人がいた
ポイント
・マルクスは、本来の労働を重視し、労働の疎外を懸念した上で、社会主義を提唱した
・マルクスは、生産力と生産関係が下部構造になり、
下部構造によって、政治の仕組みや人々の気持ちなどの上部構造が決まると考えた
=このような考え方を史的唯物論という