国際経済の特徴について -社会主義の市場経済化と中国-
国際経済の特徴の一つとして、社会主義の市場化と中国の動きについて考えてみます
・社会主義が出来るまで
・社会主義とは・・生産手段を個人のモノから社会全体のモノにして、生産活動を
個人や企業の利益のためではなく、社会全体のためにする、
という考え方のこと
※社会主義のスタートは19世紀の半ばで、社会主義に特に影響を与えた考え方として、
マルクスの社会主義思想がある
・マルクスの考え方について
・マルクスという人は、資本主義経済には、資本家の人達が労働者の人達から
搾取をしていると考えた
※搾取・・マルクスは、資本家が払った給料以上の価値を労働者は作っているが、
給料を超えた余りの価値の部分は資本家が持って行ってしまっている、
という意味で使った
・マルクスは、資本主義はプロレタリア革命という革命によって無くなり、
社会主義が誕生しなければいけないと考えた
→生産手段については、マルクスは、個人で持つことは禁止して、
団体で持つか国が持つべきだと考えた
→生産は、計画経済で行うから、景気の変動は存在しなくなると考えた
※計画経済・・政府が考えた計画に従って生産を行う経済のこと
・マルクスの考え方は、世界に影響を与えた
・世界に与えた影響について
→1917年にレーニンという人が中心となった革命派の人達が、
世界で初めて社会主義革命を成功させた
=この革命をロシア革命という
→1922年にソビエト連邦(ソ連)が生まれた
→第二次世界大戦後には、中国などでも社会主義になっていった
・社会主義はどのように変わっていったのかと現状について
・社会主義のスタイルを採用していた国は、化学工業に力を入れて国を発展させてきた
※しかし、社会主義の計画経済は、企業や労働者のやる気を失わせて、
経済がうまく回らなかった
→そこで、経済を立て直すために、各国で動きがあった
・ソ連は、リーベルマン方式(利潤方式)という方式を使って、
利潤を意識するようにした
・中国は、農業の分野から民主化にしていこうとした
→2つとも失敗に終わった
・1980年代の動きについて
・1980年代後半に、ソ連のゴルバチョフ書記長という人が、
ペレストロイカ(立て直し)とグラスノスチ(情報公開)を行うことで、
社会主義の経済を自由化の方向に持って行こうとした
→上の運動をきっかけに、東欧の社会主義の国は民主化を意識し始め、
社会主義を辞める国が増えた
=この動きを東欧革命と言い、1989年に起きた
→東欧革命をきっかけに、1989年にベルリンの壁が壊され、
1991年にソ連が終わり、独立国家共同体(旧ソ連12か国で作られた
共同体のことで、CISと略される)が作られた
・1980年代以降の動きは、急激なことが多かったため、混乱が多かったが、
混乱の後は、欧米が協力する形で、順調に発展している
・社会主義を辞めた国の多くは、社会主義のシステムに、市場経済を組み込んでいく、
という形で経済を発展させた
・現在の各国の様子について
・中国
→・社会主義市場経済(社会主義の政治の仕組みを保ちつつ、
市場経済を取り入れるスタイルのこと)を進めている
・改革開放政策という政策を用いて、その中で、経済特区を土台に
外国の資本を取り入れ、国が運営していた企業を民営化にしていった
※経済特区・・改革開放政策の中の1つで、経済の発展のために、
特別に設定した地区のこと
※社会主義市場経済について
・中国は、文化大革命という革命によって、経済が混乱した
→そこで、1977年から、農業、工業、国防、科学技術の
「四つの現代化」を展開してきた
・1992年に社会主義市場経済を取り入れたが、都市と農村との格差、
貧富の差の拡大などが問題になった
・香港とマカオは資本主義の制度を維持している
・イギリス
→・社会民主主義(大きな政府)と市場主義のそれぞれに偏り過ぎないように、
「第三の道」という方向が考えられている
※第三の道・・大きな政府の問題点(福祉への負担の多さなど)を解消しつつ、
資本主義の問題点も解消できるという、
新しい方向を追求しようとする考え方のこと