価値観について と 他者との関係について と 社会参加や奉仕の心について -官僚制・分析哲学・全体性・対話的理性-
価値観についてと、他者との関係についてと、社会参加や奉仕の心について考えた人達について
考えてみます
・価値観について
→価値観について考えた人の代表的な人に、
ウェーバーとウィトゲンシュタインという人達がいる
・ウェーバーについて
・ウェーバーは官僚制について考え、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
という本を書いた
・ウェーバーは、理想を求めない社会になると、官僚に支配されてしまい、
人々の情熱などは無くなってしまうと考えた
→しかし、それは仕方ないことだと考え、なるべく現状に流されず、
普段の仕事に情熱を注ぎ、他人の立場を認めてあげながら
生活していくしかないと考えた
・ウィトゲンシュタインについて
・ウィトゲンシュタインは、世界や価値などの評価を表す
命題(判断の内容を言葉で表現したもの)は意味がないと考えた
→このような考え方から、哲学に見られるような、一部の人にしかわからない言葉を排除して
できる限り、多くの人が知っているような言葉を使っていくべきだと考えた
=このような考え方は、分析哲学に影響を与えたと言われている
※上のように、わかりやすい言葉を使うことで、多くの人がその分野について
意見を述べやすくなり民主主義的になると考えた
・ウィトゲンシュタインは、言語哲学を提唱し、「論理哲学論考」を書いた
・他者との関係について
→他者との関係について考えた人の代表に、レヴィナスやハーバマスなどがいる
・レヴィナスについて
・レヴィナスは、西洋哲学の伝統は「他」の「同」への還元だったと批判した
※どういうことか・・
→自分の気持ちや考えを誰にも邪魔されないことが最高の自由だと考えた
=このように、性質の違う他者を排除することを「全体性」と名づけた
※レヴィナスは、「全体性」を超えた部分が大切だと考え、
そこに宗教や倫理が必要だと考えた
→そのためレヴィナスは、自分の最高の自由を邪魔する他人を
積極的に受け入れる心の広さが必要だと考えた
・ハーバマスについて
・フランクフルト学派の一人
・ハーバマスは、「対話的理性」が大切だと考えた
→対話的理性・・自分の目的を達成するための手段として相手を考えるのではなく、
お互いの理解を通して、問題を解決するべきだとする考え方のこと
※対話では、コミュニケーション能力が問題となるが、ちゃんと発言することが出来て、
お互いが自分を理解しようとする努力をすれば何かしらの合意に到達すると考えたため、
ハーバマスは対話的理性を提唱した
・ハーバマスは、対話的理性がスムーズに使われるようにするためには、
アドルノの権威主義的性格から抜け出すことが大切だと考えた
※なぜ権威主義的性格から抜け出す必要があるのか・・
→権威主義的性格は、柔軟性が無く、マイノリティ(少数派)を排除する傾向があり、
対話的理性の邪魔をする可能性があるから
・社会参加と奉仕の心について
→この2つについて考えた人達の代表に、ハンナ=アーレントとマザー=テレサがいる
・ハンナ=アーレントについて
・個人が豊かになることで、言論や公的な活動などを行う政治が弱くなっていくことを
問題として取り上げた
→そこで、個人が政治に従わずに、自分から積極的に言論を行い、
政治と個人を一緒に高めていくべきだと考えた
・ハンナ=アーレントは、現代社会は人間の個性を潰し、
孤独にしてしまっていると考えた
・マザー=テレサについて
・「貧しい中でも最も貧しい人々の苦しみの中に身をおく」ということが大切だと考えた
ポイント
・ウェーバーは、官僚制について考え、官僚は仕方のないことだから、
自分の仕事に打ち込むべきだと考えた
・ウィトゲンシュタインは、一部の人にしかわからない言葉を排除するという考えがあり、
分析哲学に影響を与えた
・レヴィナスは、「全体性」を提唱し、全体性を超えた部分を受け入れる心が必要だと考えた
・ハーバマスは、対話的理性を提唱した
・ハンナ=アーレントは、政治と社会が一緒に成長していくべきだと考えた
・マザー=テレサは、貧しい中で、最も貧しい人のところに自分を置くべきだと考えた