異文化理解の倫理について考える -自民族中心主義・同化主義・文化相対主義・多文化主義-

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投稿者:       投稿日時:2013/11/15 20:24      
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異文化理解に関する倫理について考えてみます

 

 

・異文化理解の現状について

 

 ※前提として、社会には、200近くの独立国家と6000近くの言語がある

  →・このことから、世界全体が、多言語・多民族国家であることがわかる

   ・人々の移動がグローバルになったことが後押しをして、多くの出会いがあり、

    多文化状況が進んでいる

 

 ・以上のように多文化状況が進んでいる中で、現在2つの状況が生じている

  →・民族や文化を、組み合わせて一つにしていくことが難しく、

    自分達の文化を強調したい、という意識などから民族紛争が起きている

   ・異文化に触れることで、新しい文化を作って、社会が豊かな方向に向かっている

    ※日本思想は、まさにこのような状況で歴史が作られてきた

 

 

 →そこで、世界をよりよくしていくために・・

  ・日本国憲法の中にある、「平和のうちに生存する権利」の実現が重要であり、

   異文化が共生することが必要

   →そのための最初の段階として、異文化の理解が必要だと言われている

    ※中でも、マイノリティ文化(少数派の文化)を理解して、

     尊重することが大切だと言われている

 

 

 

 

・自民族中心主義について

 

 ・前提として、昔は異文化を理解しないで、排除する傾向があった

  例-・古代ギリシアの人達は、ギリシア語を話さない異民族を

     「バルバロイ」と言って差別した

    ・儒教の文化の場所では、自分を「中華」と呼び、

     異民族を「夷秋」と言って差別した etc

 

 →このような考え方の根本には、自民族中心主義(エスノセントリスム)の

  考え方があると言われている

 

   ※自民族中心主義(エスノセントリスム)とは・・

    →自分の文化を基準にして、他の文化を評価するといったような、

     自分を中心とした考え方のこと

 

 ※自民族中心主義は、避けられないことかもしれないと言われている

  →理由・・全員が自分の文化で生活し、体の中に自分の文化が染み込んでいて、

       他の文化を受け入れることが難しいと思われるから

 

 

 

 

・同化主義について

 

 ・昔は、異民族の統合の方法として、同化主義が取られていた

 

  ※同化主義・・少数派(マイノリティ)の民族を、多数派(マジョリティ)の

         民族の中に吸収させて混ぜることで民族を統合する方法のこと。

         日本の風潮には、同化主義の傾向がある

 

 →同化主義の考え方は、少数派の意見や考えが潰されると同時に、

  同化に否定的な人を差別したり、排除してしまったりする可能性があると言われている

 

 

 

 

・文化相対主義について

 

 ・そもそも、文化相対主義とは・・

  →・レヴィ=ストロースという人が提唱した

   ・全ての文化は、その土地や環境などに合うように作られて行ったから、

    様々な文化にはそれぞれに独自の価値があり、どれが良くて、どれが悪いなど、

    文化に良いも悪いも無いとする考え方のこと

   ・そのため、文化を理解しようとする時は、いつも周りとの関係の中で

    見てみることが大切だと考えられた

    例-人は時間や場所によって、立場が変わる etc

 

 ・文化相対主義は、自民族中心主義や同化主義の考え方から抜け出す必要がある

  という考えを土台にして考えられた

  →そこで、人々は自分の文化だけでなく、多くの文化に戻ってくるべき、という考えが生まれ

   文化相対主義が考えられるようになった

 

 

 

 

・多文化主義について

 

 ・多文化主義とは・・多数派の文化が、積極的に少数派の文化を受け入れていくべき、

           という考え方のこと

  →同化主義に対して生まれた考え方で、現在の段階では有力な部分もある

 

 

  ※多文化主義の考え方の中には・・

   ・積極的差別是正措置(アファーマティブ=アクション)の考え方も含まれている

   ・民族的マイノリティやエスニック集団などを含めて、多様に受け入れていく考えも

    踏まえられている

 

    ※民族的マイノリティ集団・・自分の文化の場所に元々住んでいる人のこと

     エスニック集団・・自分の出身国を離れて、別の場所にいても、

              自分の元々の文化を忘れない人のこと

 

 

ポイント

・多文化状況の現状で、民族紛争や積極的な文化の受け入れ、という2つの動きがある

・現在は、異文化の共生のための、異文化の理解が必要だと言われている

・昔の異文化を排除する動きには、自民族中心主義の考え方が流れていると言われているが、

 克服が難しいとも言われている

・同化主義は、少数派を尊重しなくなるので、良くないと考えられている

・文化相対主義は、レヴィ=ストロースが提唱し、自民族中心主義や同化主義の

 考え方の変換のために生まれた

・多文化主義という考え方が重視されている

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