家族・地域社会の倫理について考える② -高齢社会とその諸問題について-
家族と地域社会の倫理について考えてみます
・そもそも高齢社会とは・・
→・国連が決めた基準によると、
65歳以上の高齢者が総人口の7%以上の社会→高齢化社会
14%以上の社会→高齢社会
21%以上の社会→超高齢社会 と呼ばれるようになる
・日本は、1970年に高齢化社会、1994年に高齢社会になった
※2020年までに、日本では65歳以上の人口が27%にまで行くと言われている
・高齢化の問題について
・高齢者の経済に関する問題
→問題点
・高齢者の多くの人は、定年退職などで収入が減少するため、
年金や家族に助けてもらう場合が多い
・高齢者の再就職が難しい
・少ない若者で、多くの高齢者の年金や福祉を支えるため、
若者の経済的な負担が大きくなってしまう
→そこで、年金制度を変え、社会が高齢者の生きがいとなるような
再雇用や再就職が必要だと言われている
※老夫婦や一人暮らしの老人の家庭は収入を公的年金に頼ることが多いため、
年金制度の変化が必要と言われている
公的年金・・国によって加入が義務付けられている年金制度のこと
・高齢者の健康に関する問題
→問題点
・「死」が身近な問題となり、精神的に不安なことが多くなってしまう
・認知症や、寝たきりの老人などは、経済や精神の面で家族に
大きな負担となる可能性がある
・高齢者の単独世帯が増え、一人暮らしの高齢者の介護をどうするべきか、
という問題がある
※孤独死という心配も考えられるようになってくる
・シングル介護や老老介護などが心配されるようになる
※・シングル介護・・未婚や死別など、独身の人が自分の親を介護すること
・老老介護・・高齢者の夫婦で、夫婦の一方がもう一方の介護をすること
・後期高齢者医療制度が老人の負担になったり、介護保険制度がケアプランだけで
機能しない可能性があったりする
→このような考え方に対しては、ノーマライゼーションの考え方を土台にして、
公的サービスを充実させることと同時に、地域全体で老人を支援する体制などが
必要不可欠だと言われている
※ノーマライゼーション・・高齢者や障害を持っている人が、一緒に生活をして、
全員がありのままに生活できるような社会が普通であり、
そのような社会を目指すべきだとした考え方のこと
・高齢者の生きがいの問題
→問題点
・高齢者は、様々な理由で孤独な状況になりやすい
・社会的な地位やライフサイクル、家族のスタイルの変化などによって、
老後を夫婦二人で暮らす期間が長くなっている
→そのような問題に対して、
・家族や地域、ボランティアの人々などが、高齢者に対して暖かい交流や思いやり、
愛情を注ぐことなどが重要だと言われている
・若い人たちが老人になった時のことも考えて、生涯学習の環境を
整備していくべきだと言われている
・バリアフリーやユニバーサルデザインを意識していくことが大切だと言われている
※バリアフリー・・障害を無くして、高齢者や障害者が安心できるような環境を作ること
ユニバーサルデザイン・・全ての人が使いやすくなることを目指して作られた商品の
デザインのこと
ポイント
・7%で高齢化社会、14%で高齢社会、21%で超高齢社会となる
・高齢者の経済、健康、生きがいに対して、それぞれの問題点と解決のために
考えられていることがらを押さえる