資本主義と歴史との関係について -歴史的な流れとケインズ-
資本主義について、歴史的な流れとケインズについて考えてみます
・資本主義と歴史との関係について
・資本主義経済は、世界レベルの規模で広がっていった
※多くの国が産業革命を起こしたことが理由として挙げられる
→18世紀後半・・イギリスで産業革命が起きた
19世紀半ば・・フランス
19世紀後半・・ドイツやアメリカ
日清戦争(1894年~1895年)の後・・日本
・資本主義が進んでいくと、イギリスなどで労働条件が厳しくなっていった
→そこで、労働条件の改善のために、労働者が資本家と対立することが多くなり、
様々な場所で労働運動が起きた
=結果的に、政府は労働運動は抑えたが、工場法などの労働立法を行って
労働者を保護することになった
※労働運動・・労働者が労働条件の改善などを目指して行う運動のこと
・資本主義が大きくなっていくにつれて、企業どうしの競争が激しくなり、
過剰生産になることが何度かあった
※過剰生産・・需要量よりも多く生産すること
→過剰生産が広がっていくと、不況になると言われている
・今までは無かったのに、19世紀後半から、様々な国で周期的に不況になることがあった
→そのため、不況である国内ではモノが売れず、モノを売るために、
市場を海外に狙うようになった
→企業が過剰生産のモノを売る市場として海外を狙うようになったため、
・・国が軍事を使って、植民地の獲得を目指すようになっていった
=この動きを帝国主義と言う
※植民地は、原料を得たり、商品を売るための場所にしたりすることができるので、
貴重だった
→このように、海外を目指したので、国と国が対立するようになった
・19世紀の後半から、20世紀の前半くらいまで、技術革新(イノベーション)が起きた
※技術革新・・技術が進歩していって、その技術が経済に使われるようになる過程のこと
→技術革新の時に、繊維や鉄鋼だけでなく、自動車や原子力の新しい技術などの
産業が生まれたので、企業は、いつも新しいものを追いかける
というスタンスを取るようになった
=この動きを、シュンペーターという人が、「創造的破壊」と名づけ、推進して、
技術革新の重要性を主張した
・技術革新によって、モノを大量に作ることができるようになった
→そのため、大量生産が規模の利益の視点から、企業が大きくなっていく方向に
なっていくのを促した
※規模の利益・・企業の規模が大きいほど効率が良くなって、モノ1つあたりのコストが
小さくなるという考え方のこと
※企業の規模を大きくしていくためには、大量の資金が必要だった
=大量の資金を集めるための方法として、株式会社制度が使われるようになった
※株式会社制度・・株式を作って、投資家に株式を買ってもらい、
その代金で事業を行う制度のこと
→株式会社制度は、産業の独占化を引き起こすことになった
と言われている
※産業の独占化・・ある産業の分野を、1つの企業が独占すること
・資本主義経済について、アメリカの経済学者のヴェブレンという人が意見を述べた
→ヴェブレンは、資本主義では、価値のあるモノを生産する活動(=産業)は、
利潤を目的とする営業活動(=ビジネス)のための材料として使われていて、
広告や宣伝などの費用が無駄だと指摘した
・資本主義の変化の流れとケインズについて
※第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦争の期間中は、
資本主義の大きな転換期だったと言われている
・1929年について
→1929年にアメリカで大恐慌(世界恐慌)が起きて、
世界全体で資本主義経済が危機にぶつかったと言われている
→そこで、アメリカのルーズベルト大統領という人が、
ニューディール政策という政策で不況を克服しようとした
※ニューディール政策・・公共事業を増やしたり、農業調整法を作ったりするなど、
景気をよくするために様々な政策を行うこと
・ケインズについて
・ケインズという人は、不況の原因は有効需要の不足だと考えた
※有効需要・・実際にお金を使う範囲内での需要のこと
・ケインズは、不況を抜け出して、完全雇用(働く意志のある人が全員働くことが
できる状態のこと)にするために・・
→政府が放任をすることを辞めて、政府が財政政策や金融政策を
積極的に行う必要があると考えた
=このように、政府が自由放任から抜けて、政府が大きな役割を担う資本主義を
修正資本主義と言う
※ケインズの考え方では、政府は景気の安定を目指すだけでなく、
社会保障や社会福祉の部分も行うべきとしている
ポイント
・資本主義の歴史的な流れを押さえる
・ケインズの考え方を押さえる