中小企業について -問題点と現状-
中小企業について、様々な面から考えてみます
・中小企業の概要
・そもそも企業は、従業員の数や資本金の多さによって、大企業と中小企業に分けられる
・日本の中小企業に関するデータ
→・企業全ての中で、中小企業自体は99%、従業員数は80%、生産額は50%、
輸出額で40%となっている
・中小企業の定義について(何を持って中小企業と大企業に分けられるのか)
→それぞれの産業によって定義が違う
・製造業・・資本金(≒元手)が3億円以下、従業員数が300人以下、のどちらか
・卸売業・・資本金が1億円以下、従業員数が100人以下、のどちらか
・サービス業・・資本金が5000万以下、従業員数が100人以下、のどちらか
・小売業・・資本金が5000万以下、従業員数が50人以下、のどちらか
・大企業と中小企業の格差と二重構造について
・日本は、外国に比べて資本装備や労働条件の整備などが遅かったと言われている
→遅かったのが結果的に、資本装備率、賃金、生産性など、様々な部分で
大きな格差を産んだと言われている
=この格差のことを、経済の二重構造と言う
※資本装備率・・労働者一人あたりの設備の金額のことで、特に重化学工業は率が高い
・二重構造が生まれた具体的な原因
→・中小企業の多くが零細企業(家族での経営を中心とした企業のこと)だったから
・労働組合を作る率が大企業よりも低く、労働者の立場が大企業よりも弱かった
・製造業(中でも、衣服、繊維、衣服の分野)では、中小企業が大企業の下請けになり、
中小企業の労働条件が厳しいものだったから
・日本の経済の二重構造は、高度経済成長後に、だいぶ改善されたと言われている
→なぜ改善されたのか・・
・経済が成長する時に労働力が足りなくなり、中小企業が人を雇うために
賃金を上げたところ、中小企業が結果的に大企業の賃金の上昇率を上回ったから
・中小企業と大企業との関係について
→代表的な関係に、下請け、系列、企業集団がある
・下請け・・大企業が材料や部品などを、他の中小企業にお願いし、
大企業と中小企業との間で常に取引をするような関係を持っていること
・系列・・下請けの中で、株式の保有や、資金の提供なども行う関係を持っていること
・企業集団・・下請けや系列などのように、縦のような関係ではなく、
大企業が同じ立場でお互いに助け合う関係を持っていること
・中小企業の現状について
・現在に至るまでの中小企業の経緯
・1980年代に、大企業と中小企業との格差が縮まる動きが弱くなってしまった
→なぜ、弱くなってしまったのか
・NIES(新興工業経済地域)という地域を始めとした発展途上国が急成長をした
・1985年のプラザ合意によって急激な円高が起きた
・大企業が経営の合理化ということを行った
※これらの影響によって、下請け企業や地場産業がピンチになったと言われている
・地場産業・・繊維や刃物など、地域に根差した伝統的な産業のこと
・アメリカが市場開放を求める声が強くなってきて、中小企業の立場が弱くなってしまった
・今日の中小企業の動きについて
→今日の中小企業の動きとして、ベンチャー・ビジネスへの挑戦や、
ニッチ産業という考え方の誕生などがある
※ベンチャー・ビジネス・・高度かつ独自の技術やアイデアを生かして、
新しい技術を開発したり、新しい分野を作ったり
しようとする、革新的な小企業のこと
ニッチ産業・・今までの産業が見落としていたり、気付かなかったりしていた部分
(市場の隙間のような部分)を穴埋めするような産業のこと
→このような動きがあるため、政府が中小企業を育てていこうとしていると言われている
ポイント
・中小企業の概要と定義を押さえる
・経済の二重構造、特に原因を押さえる
・中小企業と大企業との関係を押さえる
・現在に至るまでの中小企業の動きを押さえる
・今日の中小企業の新しいスタイルを押さえる