地域主義とFTAについて
地域主義とFTAについて考えてみます
・地域主義について
・地域主義とは・・近くの国どうしが関わり合いを深めていく考え方のこと
・最近は、様々な地域で地域統合(複数の国が関わり合って、統一的になっていくこと)を
目指す動き(=地域主義)が増えてきている
※地域統合には、様々な面からの地域統合がある
・地理的な地域統合・・近くの国どうしがつながる、という意味合い
・経済的な地域統合・・近くの国どうしが関税や輸出と輸入に関する課税を無くして、
自由貿易のエリアを作ったり、
モノ、ヒト、サービス、資金などの移動も自由にする
・様々な地域での地域主義の動きについて
・ヨーロッパの動きについて
・ヨーロッパでは、EC(ヨーロッパ共同体)が、1987年に作った単一欧州議定書を
基本にして、市場の統合を行って、1993年1月に単一市場が作られた
→・1992年2月に、欧州連合条約(マーストリヒト条約)という条約が決められた
※欧州連合条約では、単一の通貨、共通の外交、共通の市民権などが決められた
→・欧州連合条約を加盟国が認めて、93年11月に実際に使われ、
EU(ヨーロッパ連合)が作られた
→・1999年に、経済通貨同盟(EMU)を作って、共通通貨としてユーロを取り入れ、
EU11カ国が参加した単一通貨の市場が生まれた
※ユーロ・・1999年1月にEUが取り入れた単一の通貨の名前のこと
→2002年の1月からユーロの紙幣と硬貨が使われるようになった
・ヨーロッパ以外の動き
・1992年にアメリカとカナダの自由貿易協定(FTA)にメキシコが参加して、
北米自由貿易協定(NAFTA)というものが作られた
・アジアでは、1993年にASEAN自由貿易圏(AFTA)が作られた
・日本やアメリカなどを含む、環太平洋というところに位置している国々が
経済的な協力をするという考えが、アジア太平洋経済協力会議(APEC)
というところで議論されている
・FTAについて
・FTAとは・・2か国間、またはいくつかの国どうしで、貿易に関する関税や
その他の制限などを無くして自由貿易を行うこと
・なぜ、FTAが考えられるようになったのか
・自由貿易を拡大するための話し合いは、WTOを土台とした上での多国間での
話し合いがルールとなっている
※しかし、一度決めた話し合いの内容について問題が発生したとしても、
簡単に新しいラウンドを行うことは難しく、もし新しくラウンドが始まったとしても、
それぞれの国の意見がぶつかり合ってしまい、
話し合いがうまくまとまらない可能性がある
→そのため、うまくまとまらないこと、新しいラウンドを行わないこと、などを
考えた時に、できるだけ自由貿易が出来るように、FTA(自由貿易協定)や
EPA(経済連携協定)を行う国が増えた
※EPA・・経済に関する様々な壁を取り除いて、複数の国で連携していくこと
・FTAやEPAの状況について
・日本は、シンガポール、マレーシア、メキシコなどと2国間でのFTAを行っている
・地域間での協定の例として、NAFTA(北米自由貿易協定)や
AFTA(アセアン自由貿易地域)が挙げられることが多い
※FTAは、GATT(WTO)のルールの中でも、一定の条件で認められている
ポイント
・地域主義の基本的な考え方を押さえる
・様々な地域での地域主義の動きや考え方などを押さえる
・FTAやEPAの考え方や背景、状況などを押さえる