公害と環境について -公害を様々な視点から考える-

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投稿者:       投稿日時:2013/11/17 22:24      
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公害と環境の問題について考えてみます

 

 

・公害問題について

 

 ・公害とは・・人々の活動によって引き起こされた水質汚濁や土壌汚染、

        騒音や大気汚染などが広い範囲の人々の健康や生活環境を

        悪化させるなどの被害を与えること

        (公害については、環境基本法という法律で規定されている)

 

 ・公害が事例として注目されるようになった出来事として、

  足尾銅山鉱毒事件や別子銅山煙害事件などがある

  ※足尾銅山鉱毒事件に関しては田中正造という人が反公害として頑張った

 

 ・公害は、企業が成長を意識するあまり、公害への意識が薄れたため、

  高度経済成長期に特に広がった

  →その中でも、四大公害というのが問題になった

   ※四大公害・・水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病を

          まとめた呼び方のこと

 

 

 

・公害の対策とその流れについて

 

 ・高度経済成長の時の公害の拡大の時から、段々と公害への批判が高まってきた

  =これが、結果的に企業の公害に対する責任を追求するという住民運動になり、

   全国で行われた

   →その結果、1967年に公害対策基本法という法律が作られ、

    公害の対策の基本が考えられるようになった

 

   →その後、1970年に「公害国会」という会議が開かれ、公害対策関係14法という、

    公害対策基本法を実行していくための法律が作られた

 

   →1971年に公害に関して行政でまとめて扱うために、環境庁という組織が設置された

 

 

 

 

・公害の規制と公害の被害の救済の動きについて

 

 ※前提として、公害が外部不経済の一つとして「市場の失敗」と見られる一つの例で、

  注目された

  =人々の環境が破壊されるなどといった、住民に影響を与える不利益(社会的費用)に関して

   企業などがお金を払う、というようなことをやってこなかった

 

 

 ・上のようなことがあり、公害を規制する方法というのがいくつか考えられるようになった

 

  ・汚染者負担の原則(PPP)が作られた

   ※汚染者負担の原則・・公害になる煙を出したりした時に、社会的費用に当たる額は、

              公害を出した人が払うべきだという原則のこと

 

  ・企業が新しく工場などを立てる時に、環境アセスメント(環境影響評価)

   ということを行って、環境に大きな影響を与えるような立地というのを禁止した

   ※環境アセスメント・・環境に大きな影響を与える可能性のある事業について、

              事前に調査をして環境への影響を縮小したり、

              回避したりするための方法のこと

   ※国レベルの動きとしては、1997年に環境影響評価法という法律が作られた

 

  ・2種類の方法を使って、排出量自体を規制した

   ・濃度規制・・一定の排出基準を設定して、それぞれの企業に

          その排出量守らせるための規制のこと

   ・総量規制・・ある地域を一つの区切りとして、その地域での排出量の基準を決めて、

          その地域にある全ての企業のトータルの排出量が

          その基準を超えないようにするための規制のこと

 

 

 

 

・四大公害裁判とそれに対応する動きやルールについて

 

 ・四大公害については、四大公害裁判という裁判が起き、

  4つとも原告側が勝ち、企業が負けた

 

 ・四大公害裁判の中で、被害救済の原則というものが作られた

  ※被害救済の原則・・以下の2つのようなことが決められている

  ・救済は、被害者の原状を戻すことが第一で、お金による補償を第一に考えてはいけない

   と決められた

  ・企業が、企業の活動と被害は関係ないと思った時は、企業の活動が被害と関係ないことを

   企業が証明しなければいけないことが決められた

 

 ・公害に関する損害賠償について、大気汚染防止法や水質汚濁防止法という法律の中で、

  無過失責任の原則というのが決められた

  ※無過失責任の原則・・企業にミスが無かったとしても、企業の活動が公害の被害に

             何かしらの形で関係していた場合は、

             企業は損害賠償の責任を負わなければいけないという原則のこと

 

 ・1973年に公害健康被害補償法という法律が作られ、

  その中で被害救済の原則という原則が決められた

  →これによって、裁判を待たなくても、被害者が療養費などを受け取ることが

   できるようになった

 

  ※公害健康被害補償法について

   ・この法律に関しては、公害対策基本法を土台にして作られ、

    費用を負担する時の考え方については汚染者負担の原則(PPP)が採用されている

   ・この法律は1987年に改正され、全国にあった

    41か所の大気汚染指定地域という地域区分が解除された

    →解除された地域については、既に患者として認定された人だけが

     補償されることになった

 

 

 

 

・公害と環境問題という考え方について

 

 ・公害対策を行った結果、重化学工業の生産活動による公害がかなり減った

  →しかし、一方で下のような様々な問題が改めて注目されるようになった

   

   ・工場が海外に移ることが多くなり、「公害輸出」ということが起き始めた

    ※公害輸出・・工場と一緒に公害を海外へ持って行ってしまうことを公害輸出と呼んだ

   

   ・産業公害以外に、都市公害が問題となった

    ※都市公害・・地域が都市化(人口の集中)することによって、起きる公害のこと

           (自動車の排ガスによる大気汚染、騒音や振動などが

            被害として挙げられる)

   

   ・ダイオキシンや環境ホルモンというものが人にどのような影響を与えるのか、

    という不安が出てくるようになった

 

   ・ICなどのような先端技術の産業で、ハイテク汚染、IT汚染という汚染が

    問題視されるようになった

 

 

 →上のような問題があったので、国は1993年に環境基本法という法律を作った

  =この法律を土台にして、環境基本計画というのが1994年に作られて、

   環境の行政の方針が決められた

 

  ※環境基本計画について

   ・この計画は、2000年に第2次計画という計画が閣議で決められた

    →第2次計画で、環境税、ごみ処理有料化、デポジット制などが考えられた

     ※デポジット制・・製品を売る時に、預かり金(デポジット)を値段に上乗せして、

              消費者が既に使った製品を返す時に預かり金を返す制度のこと

    

   ・2006年に第3次計画という計画が閣議で決められた

 

 

 

 ・現代の環境に対する意識について

  

  ・現代では、限られた資源を効率よく使い、循環型社会を目指すことが重要だと言われている

   →中でも、2000年に作られた循環型社会形成推進基本法は、

    循環型社会を作ることが目的となっている

   ※循環型社会・・資源を再利用したりして、廃棄物を減らし、

           資源を循環させる社会のこと

           (自然での食物連鎖などの循環を保つことを人間が考えるべき、

            という意味も含まれることがある)

 

   →そこで、最近は、「4R」の運動やゼロ・エミッション社会を目指すことなどが

    重要だと言われている

    ※・「4R」・・リデュース(ごみを減らすこと)、リユース(繰り返し使うこと)、

            リサイクル(モノをもう一度資源として活用すること)、

            リペア(修理して使うこと)を目指した運動のこと

       

     ・ゼロ・エミッション・・廃棄物を出さないようにする運動のこと

 

 

 

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