戦後の国際政治の動きについて -冷戦の歴史-
戦後の国際政治の動きについて考えてみます
・東西冷戦について
・第二次世界大戦の後に、東ヨーロッパやアジアに社会主義の国が生まれた
→アメリカや西ヨーロッパは資本主義だったので、西側の資本主義の国と、
東側の社会主義の国が対立するようになった
=この対立のことを、冷戦と呼ぶ
・冷戦によって、どのようなことが起きたのか
・アメリカ側が北大西洋条約機構(NATO)を、ソ連側がワルシャワ条約機構を作る、
という軍事面での対立が起きた
・東と西で軍拡(軍事面での拡張)の競争が起きた
・2つに分けられる国が出てきた
→例:東西ドイツ、南北ベトナム、南北朝鮮 etc
※分けられることは、何が問題なのか
→世界各地で対立したり、国境はどこかということで紛争が起きたりした
例・1961年にベルリンの壁が作られた
・1950年に朝鮮戦争という戦争が起きた
・1965年以降、アメリカがベトナム戦争に参加していった
・第三世界と非同盟諸国について
・第二次世界大戦の後に、アジアやアフリカで植民地だった国の中で、
独立する国が多く出てきた
→独立した国々は、1955年にアジア・アフリカ会議(バンドン会議)という会議を開いて
「平和10原則」という原則を採用して、アメリカの側にもソ連の側にも所属しないで、
中立の立場を取った
=このように、どちらにも所属しないで中立の立場を取った国々を、非同盟諸国と言う
※国連では、1960年に植民地独立付与宣言という宣言を出し、
植民地主義(植民地ありきの考え方)を無くしていくことを決めた
・1961年に、非同盟諸国首脳会議という会議がベオグラードという場所で開催された
→これによって、大きい国の権力や植民地主義には、
非同盟諸国が結束して反対するようになった
※非同盟諸国の行動は、第三世界の意見を国際社会に反映させる、
という面で重要な役割を果たしたと言われている
・第三世界・・アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの、
元々植民地だった国をまとめた呼び方のこと
・冷戦の多極化という動きと平和の共存について
・冷戦は1962年のキューバ危機という出来事によって、
状況が変わったと言われている
※キューバ危機・・キューバにソ連がミサイル基地を作っていたので、
アメリカがキューバを海上封鎖した事件のこと
→キューバ危機をきっかけに、アメリカとソ連は核戦争を避けるために、
平和共存政策という政策を出した
=これによって、緊張緩和(デタント)が起きた
・平和共存政策以降の動き
・東ヨーロッパの国々で、自立する国々が出てきた
・西側で、フランスがNATOから抜けた
・西側の国々の経済的な成長が起きた
→このような動きがあり、非同盟諸国首脳会議に参加するようになる国が増えて行った
=結果的に、アメリカとソ連がにらみ合うという、
二極のスタイルから多極化のスタイルに変わっていった
・冷戦の終わりについて
・1980年に、ソ連のゴルバチョフという人が、ペレストロイカという改革を行い、
アメリカと仲良くしていこうとする動きを取るようになる
※なぜ、ソ連はペレストロイカを行ったのか
→ソ連は経済の成長が止まり、
アメリカは「双子の赤字」(財政赤字と貿易赤字の両方を持つこと)という
状況になっていたからだと言われている
=アメリカも、ソ連も、軍拡の競争に使うお金は、
お互いの国の経済にダメージを与えていた
→そこで、アメリカとソ連は、中距離核戦力(INF)全廃条約という条約に調印をした
※中距離核戦力全廃条約・・核兵器を削減していくための条約のこと
・調印してからの、様々な国の動きについて
・1989年に共産党の政権がどんどんなく無くなっていった
・ベルリンの壁が無くなった
・1989年12月にマルタ会談という会談を開いて、
アメリカとソ連は冷戦の終わりを認めた
・1990年に東ドイツと西ドイツが統一された
・1991年にワルシャワ条約機構が無くなった
・1991年に独立国家共同体(CIS)が作られて、ソ連が無くなった
→このような動きもあり、東西の対立は無くなった
・ヨーロッパの安全について
・ヨーロッパでは、1975年に全欧安保協力会議(CSCE)という会議が
ヘルシンキで行われた
※全欧安保協力会議(CSCE)について
・CSCE以降、東西が一緒に行える「共通の安全保障」というシステムが
考えられるようになった
・この会議でヘルシンキ宣言という宣言が出た
→ヘルシンキ宣言によって、信頼醸成措置(CBMs)などが
取り入れられるようになった
※信頼醸成措置・・敵の関係にある国とコミュニケーションや情報交換などを
行うことで、誤解や不信を減らしていくための措置のこと
・1990年に開かれた時は、「欧州の対立と分断の時代は終結した」と宣言する、
パリ憲章というのが採用された
※日本は1992年に、準加盟国になった
・1994年にCSCEは、全欧安保協力機構(OSCE)になった
=全欧安保協力会議が、常設の組織になった