外国為替と国際収支について
為替について、様々な視点から考えてみます
・為替について
・為替とは・・売り手と買い手が直接取り引きをするのではなく、
売り手と買い手の間に金融機関が入って取り引きの仲介をすることで、
現金を直接移動させることなく取り引きをする方法のこと
→為替は、国内、国際ということは関係が無く、離れた地域での取り引きのための
手段として使われるようになった
・為替には、大きく分けて内国為替と外国為替の2種類ある
・内国為替・・国内の取り引きの時の為替のこと
・外国為替・・国外との取り引きの時の為替のこと
※外国為替の時は、全く違う通貨を交換する、ということが出てくる
・外国為替市場について
・外国為替市場とは・・外貨(外国の貨幣)を売ったり買ったりと、
取り引きをする市場のこと
・なぜ外国為替市場が必要になったのか
・日本の銀行の一部は、貿易や国際間での資本の移動によって、
通貨の交換ということをしている
=この動きの結果、日本にあるドルの貨幣は増えたり減ったりするので、
常にドルの貨幣の量が変化している
→そこで、ドル貨幣が多すぎたり少なすぎたりると日本にあるお金のバランスが
悪くなってしまうので、ドル貨幣が少ない時はドルを買って、
ドル貨幣が多い時はドルを売るという行動を取る
→上のようにして、国の資産のバランスを保つために、
銀行と銀行の間で外貨の取り引きが行われなければいけない
=そこで、外貨の取り引きするための市場として
外国為替市場というものが必要になった
※外国為替は、取り引きだけでなく、外国の現金通貨、小切手なども含まれる
・外国為替市場の仕組みについて
・外国為替市場には、インターバンク市場と対顧客市場の2つがある
・インターバンク市場・・銀行と銀行の間で通貨の取り引きを行う市場のこと
・対顧客市場・・顧客(個人や企業など)と銀行との間で取り引きを行う市場のこと
・インターバンク市場の特徴
・インターバンク市場には、下のような特徴がある
→・インターバンク市場はテレフォン・マーケットが使われている
※テレフォン・マーケット・・売り手と買い手が電話で取り引きをすること
(基本的には、売り手と買い手の間に、
為替ブローカーという人が入る)
・インターバンク市場は為替レートというものに影響を与え、
取り引き量が多いインターバンク市場で為替レートが決まる
※もし、為替レートの動きが激しすぎる時は、中央銀行が
インターバンク市場に参加して、中央銀行が外貨の売買を行うことで、
為替レートを安定したものにさせようとする
=このような動きを公的介入(平衡操作)と言う
※公的介入について
→基本的には、中央銀行や政府が持っている外貨準備(外国への支払いのために
取っておく外貨のこと)を元手に、売買を行うことを指す
(外貨のどれくらい持っているかを表したものを、外貨準備率という)
・為替レートと国際収支について
・国際収支について
・国際収支とは
・貿易や国際間での資本の移動などによる、国際間での経済的な取り引きによって、
資金の受け取りと支払いということが起きる
→この時に起きた取り引きを、商品の取り引き、サービスの取り引き、
資本の取り引き(証券投資など)に分けて、それぞれの取り引きの項目の
一定期間の収入と支出を記録したものを国際収支という
・国際収支は、経常収支と資本収支の2つに分けられる
・経常収支・・商品やサービスなどを取り引きする時の収入と支出のこと
・資本収支・・資本を取り引きする時の収入と支出のこと
※貿易収支(貿易をした時に起きる収支のこと)というものがあるが、
貿易は商品の輸出と輸入によって起きる収入と支出なので、
貿易収支は経常収支の1つとして考えられている
・資金の受け取りと支払いについて
→・受け取りと支払いは、自分たちの好みの通貨ではなく、
国際的に力のある通貨である、国際通貨(基軸通貨)を使って行われる
・現在は、ドルの力が強いのでドルが基軸通貨として使われていて、
ドルをベースに、ユーロ、ポンド、円などを使うことで取り引きが行われる
=そのため、ドルが多すぎたり少なすぎたりすると調節する必要が出てくる
・国際収支について
→・収入が支出より多く(収入>支出)、収支がプラスの場合を黒字(受け取り超過)
支出が収入より多く(支出>収入)、収支がマイナスの場合を赤字(支払い超過)
という
※資本収支の場合
→資本収支の場合は、外国に貸しているお金の量が外国から
借りているお金の量より多いと、国内に残っているお金の量は
少なくなるので、支払い超過ということになるので、資本収支は赤字になる
・国際収支については、計算の仕組みが1996年1月に変わった
・為替レートについて
・為替レート(為替相場)とは・・通貨と通貨の交換の比率のこと
(例:1ドル=?円、1ユーロ=?円 etc)
→為替レートが変動すると国際収支に影響を与え、国際収支が変わると
為替レートに影響を与える
※為替を具体的な動きを使って考えた場合
・日本がアメリカに対して貿易黒字が続いている場合
(日本の商品がアメリカに売れている場合)
→・アメリカの貨幣が日本に入ってきて、日本国内でアメリカの貨幣が増え、
アメリカの貨幣の価値が下がる
=ドルの値段が安くなるので、日本の円の値段が高くなったように見える
(実際は日本の円自体の価値は変わっていないで、アメリカが下がっただけ)
=結果的に円高ドル安という動きになる
※円高ドル安が続くと、日本の商品がアメリカに売れづらくなってくるので、
日本の黒字が少なくなってくる
→上の例は理論でしかなく、実際の為替レートは、非常に多くの、
様々な要因が為替レートに影響を与えている