ポリスの成立と発展・市民と奴隷について
ポリスの成立と発展・市民と奴隷について考えてみます
・ポリスの成立について
・紀元前8世紀になると、各地で有力者だった貴族の指導のもとにいくつかの集落が連合した
→その後、城山(アクロポリス)を中心に、人々が集住(シノイキスモス)して都市を作った
=この都市のことをポリスという
※ポリスは防衛の中心となって人々の定住を促した
→そのため、社会が安定して、結果的に暗黒時代が終わった
・ポリスの発展について
・ポリスでは、人口が増加した分、土地が不足した
→そこで、紀元前8世紀半ばごろから、ギリシア人は大規模な植民活動を始めた
=その結果、地中海と黒海の沿岸部に植民市というところを作った
※この活動は、貿易活動を活発化させることになった
・紀元前8世紀半ばころ、フェニキア文字をもとに作られたアルファベットが
以下のように活用されていった
→・商業活動で使われた
・ホメロスの詩など、文学の成立を促した
・ポリスは、先進地域やオリエントとの交易が簡単にできる沿岸部を中心に出来ていった
→一方で、内陸部にはポリスがつくられないままに終わってしまった地域もあった
・それぞれのポリスは、独立した国家だった
→そのため、古代のギリシアは常に小国が分立する状態だった
=結果的に、統一国家をつくることは一度もなかった
※しかし、文化の面では、ギリシア人は以下のようなことを通して、
同一民族としての意識を持ち続けた
・共通の言語と神話
・デルフォイのアポロン神の神託
・4年に一度開かれるオリンピアの祭典 など
・ギリシア人は、自分たちと異民族を以下のように呼んだ
→・ギリシア人・・ヘレネス
・異民族・・バルバロイ(わけのわからないことばを話すもの、という意味)
・市民と奴隷について
・ポリスの住民は、自由人の市民と、市民に従う奴隷の2パターンがいた
→市民には、貴族と平民との区別があった
・それぞれの住民について
・貴族について
・貴族には、以下のような特徴があった
→・血のつながりがあるお金持ちが貴族になっていた
・高価な武器を身に着けて、騎馬で移動する戦士として国防の中心を担当していた
=そのため、紀元前7世紀までには、少数の貴族が政治を独占するというスタイルが
一般的になっていた
※このような政治のスタイルは、貴族政ポリスと言われていた
・平民について
※平民は、貴族に従うというわけではなかった
・平民は、貴族と同じで、土地や奴隷を持っている独立した市民だった
→そして、市民どうしの関係は平等が原則だった
・奴隷について
・そもそも、奴隷は人格を認められていなかった
→そのため、売買の対象になっていた
=市民と奴隷の身分差は大きかったと言える
※以下のような人が奴隷として扱われていた
・借金をすることで、市民の身分から落ちてしまった人
・戦争の捕虜
・海外から輸入される異民族 など
・それぞれの身分とポリスの様子について
・ポリスは、城壁で囲まれた市域と呼ばれる部分とその周りの田園と呼ばれる部分で
成り立っていた
→市域の中心に、アグロポリスという部分があった
※アグロポリスは、砦であると同時に、神殿が建てられるという神聖な場所だった
・市域の中に、アゴラ(広場)という場所があった
→アゴラでは、以下のようなことが行われていた
・市場や集会が開かれた
・市民が談話や議論を楽しんでいた
・田園には、市民たちの所有地だった持ち分地(クレーロス)があった
→市民の多くは、田園で家族と一緒に少しの奴隷を使って農業を行っていた
※ポリスの市民の中心は、このような農業の市民だった
=市民にとっては、ポリスが文明となった人間生活の土台だと言える
※後に、アリストテレスは「人間はポリス的動物である」と定義した
ポイント
・ポリスの成立についておさえる
・ポリスの発展についておさえる
・ポリスの住民について、貴族、平民、奴隷をおさえる
・ポリスの様子についておさえる
このあたりが今回のポイントです