イスラーム国家経済について
イスラーム国家経済について考えてみます
・イスラーム国家経済について
・西アジア社会では、古代オリエント時代から貨幣の使用が盛んに行われていた
・イスラーム時代になると、貨幣経済が一段と発達していった
・アッバース朝やウマイヤ朝の政府は、以下の2つを行った
→・都市と農村から貨幣と現物という形で租税を徴収した
・官僚や軍隊には予算に基づいて現金の俸給を支払っていた
=カリフの力が強く、官僚制が整っている間は上のような流れを維持することが出来ていた
・しかし、9世紀の半ばからマムルーク軍人が出てくるようになり、
地方に独立の小さい王朝が作られるようになった
→すると、カリフの権力が衰え、国庫の収入が段々と減少していった
・一方で、バグダードに入城したブワイフ朝は、土地の徴税権を軍人に与えて、
それぞれの俸給に見合う金額を直接農民や都市部から徴税させることにした
=この制度をイクター制という
※イクター制について
・イクターとは、国家から与えられた土地、またはそこからの徴税権のことを指す
・イクター制は、セルジューク朝の時に西アジアに広く施行されるようになった
・イル=ハン朝、デリー=スルタン朝、ティムール朝、オスマン帝国、
ムガル帝国、サファヴィー朝では、イクター制と同じような制度が行なわれた
・エジプトには、アイユーブ朝のサラディンによって導入された
→アイユーブ朝の次であったマムルーク朝時代に制度が整えられるようになった
→都市に住む軍人は、代理人をイクターとして与えられた土地に派遣して取り分を徴収して、
この収入を使って軍備を整えて参戦するという義務を負っていた
→セルジューク朝以降、イクター制が西アジアに広く施行された後も、
スルタンやイクター保有者の保護のもとに、
地中海とインド洋を結ぶ商業活動が活発に行われていた
・ムスリム商人は、以下のようなことを行った
→・キャラヴァンサライ(隊商宿)を結んで、奴隷や香辛料の交易に関わった
・中国、インド、東南アジア、アフリカ大陸へイスラーム教を伝播することにも貢献した
ポイント
・イスラームの国家経済についておさえる
このあたりが今回のポイントです