幕府と藩の仕組みについて
江戸時代の幕府と藩の仕組みについて考えてみます
・幕府について
・幕府の収入について
・幕府は、直轄領(幕領)から得られる年貢と佐渡や石見などの鉱山が基本的な収入だった
・大きな都市を支配し、商業、工業、貿易などをコントロールすることで
収入の調整を行った
・貨幣を作る権利も持っていた
・幕府の軍事力について
・軍事力は、将軍直属の家臣である旗本と御家人、大名が負担する軍役によって
基本的に構成されていた
※将軍に謁見(お目見え)が許されていたのが旗本、
許されていなかったのが御家人とされた
→旗本、御家人、軍役は圧倒的に強い力を持っていた
・幕府の役職について
・年寄という幕府の重要な政務に参加した家来が、老中と呼ばれて
政務を仕切るようになった
・大老という役職があり、重要な内容を決める時の会議にだけ参加した
※大老・・臨時の最高職のこと
・若年寄という役職が、老中の補佐と旗本の監督を行った
・大目付という役職が、大名の観察を行った
・目付という役職が、旗本の観察を行った
・寺社奉行、町奉行、勘定奉行という三奉行が設置された
※寺社奉行・・寺社の土地、建物、僧侶などについて担当した役職のこと
町奉行・・江戸の行政や司法などといった、庶民の政治全般を担当した役職のこと
勘定奉行・・幕府の財政の管理や税金の回収など、
金銭などについて担当した役職のこと
→寺社奉行は譜代大名が、町奉行と勘定奉行は老中の支配のもとで旗本が任命した
・役職には、基本的に数人の大名と旗本がついた
→役職は、月番交代(1ヶ月交代)で担当した
・簡単な訴訟については、その役職が処理をした
→一方で、重要な訴訟については、評定所という場所で
老中と三奉行が話し合って裁判を行った
・地方の役職について
・地方では、京都所司代という役職が重要だと言われていた
※京都所司代・・朝廷の管理や西側の国の大名の監視などを行う役職のこと
・重要な都市とされていた、京都、大坂、駿府の3か所に城代と町奉行が置かれた
※城代・・城主の代わりに城を守る人のこと
・伏見や長崎などの都市には、奉行(遠国奉行)が設置された
・幕府の直轄領については・・
→・関東、飛騨、美濃などについては、郡代という役職が置かれた
・それ以外の土地については、代官という役職が置かれた
※代官は、勘定奉行がコントロールした
・藩について
※藩とは・・大名の土地と、その土地を支配する機構をまとめた呼び方のこと
・大名は、初期は地方知行制を採用する場合があった
※地方知行制・・領内にいる有力な武士に領地を与えて、与えた領地にいる領民の支配を
認める制度のこと
・17世紀の半ばから、ほとんどの藩が地方知行制を辞めて、
俸禄制度を採用するようになった
※俸禄制度・・藩の直轄領(蔵入地)から得た年貢を蔵米ということで支給する制度のこと
蔵米・・幕府の家臣や大名の家臣などに支給されたお米のこと
・大名は、基本的には以下のようなことを行った
・領内を一通り支配した
・有力な武士を城下町に集めさせて、家臣にしたり、家老や奉行などの役職を行わせて
藩の仕事を分けたりした
※一国一城令は、大名と戦うような有力な武士の力を弱める効果を
持っていたと言われている
→以上のようなことを行うことで、大名が土地と人々を支配する力が強まり
藩の制度が整備されていった
=結果的に藩の権力がしっかりしたものになっていった
ポイント
・幕府について(収入、軍事、役職など)を押さえる
・藩についてを押さえる
このあたりが今回のポイントです