植生と土壌について
植生と土壌について考えてみます
・植生について
※植生とは・・植物の種類ではなく、森林や草原など、
植物の生え方によって生じる景観のこと
・植生で最も重要な要因は、気候だとされている
→中でも、気温と降水量の影響を強く受けている
※ただし、地形や土壌などの影響も一応受けている
※ケッペンは、植生を指標として気候区分をしている
→そのため、植生分布は気候帯の分布に似ている
・気候区分による植生について
・熱帯・・気温と降水量が両方恵まれていて、樹高が高く樹種の多い熱帯雨林が
分布している
・亜寒帯・・寒さが厳しく、樹種が単一の針葉樹林(タイガ)が多い
・乾燥帯・・基本的に植物はほぼ育たないが、
雨季になると、ステップやサバナなどの草原が広がる
・寒帯・・基本的に植物はほぼ育たないが、短い夏にコケ類などからなる
ツンドラが広がる
※植生は、環境が厳しくなるにつれて、以下のような特徴がある
→・たけが低くなる
・分布の密度がまばらになる
・植物の種類が減る
・土壌について
※土壌とは・・地表の岩石や堆積物が、その場所の地形、気候、植物などの影響を受けて、
物理的または化学的に変化した土のこと
・一般に、植物が多いところでは、それが分解されて肥沃な土壌になる
・一方で、以下のようなことが起こると、やせた土壌になる
→・降水量が多すぎて、養分が流されてしまう
・気温が低いと、落ち葉などの分解が進まない
=土壌の性質は、気候の影響を強く受けるため、気候区分図と似ている
→ただし土壌は、もととなる岩石によって、気候や植物とは無関係な特徴を
示すことがある
※気候区分図と似ている種類の土壌を、成帯土壌といい、
ラトソルや褐色森林土などがある
※無関係な特徴を示す種類の土壌を、間帯土壌という
→間帯土壌の例として、以下のようなものがある
・石灰岩が風化したテラロッサ(地中海地方の石灰岩地域に分布する)
・玄武岩が風化したレグールやテラローシャ
・風によって運ばれた細かな土が堆積したレス
・火山性土壌 など
・河川によって運ばれた土砂が堆積した沖積平野では、
洪水の時に上流から栄養分が供給される
→そのため、一般的に土壌は肥沃になる
※肥沃な土壌がある土地では、農業が盛んで穀倉地帯となる
※古代文明が大河のほとりで発生したのも、
肥沃な沖積平野の土壌があったためだと考えられている
ポイント
・植生についておさえる
・土壌についておさえる
このあたりが今回のポイントです