東南アジアの気候と農業について
東南アジアの気候と農業について考えてみます
・東南アジアの気候について
・東南アジアのほとんどは熱帯に属している
→しかし、赤道付近と北緯5度から北とで、気候が違う
・赤道付近・・熱帯林が茂る気候
・北緯5度から北・・季節風(モンスーン)の影響が強く、雨季と乾季が見られる
→雨季・・南西の季節風が吹く5月から10月にかけて雨季となり、河川が増水する
乾季・・11月から4月が乾季になり、樹木が葉を落とし、大地が固く干上がる
→このような気候を生かして、東南アジアでは以下のような農業が行なわれている
・焼畑耕作をする山地の少数民族
→乾季に火を入れ、雨季に種子をまく
・水田地帯
→雨季が始まる4月の下旬に稲の栽培を始め、乾季が到来するとともに、
収穫をする
=東南アジアは、稲の生育期に十分な気温と降水があるため、
世界でも有数の稲作地域になっている
・東南アジアの農業について
※東南アジアは、農業の中でも稲作が中心になっている
・コメの生産は、メコン川やチャオプラヤ川などの中流からデルタ(三角州)地帯に
かけての低地で特に盛ん
・ジャワ島やバリ島では、傾斜地を階段状にした棚田も作られている
・コメの多くは、自分の国での消費に向けられる
※ただし、タイでは輸出も盛んで、世界一のコメの輸出国になっている
・タイを南北に流れるチャオプラヤ川の周辺には、運河と水路網が水田を縫って
広がっている
※この地域では伝統的に、雨季が近づくと水牛を使って田をおこして、
直播きによる稲作が行なわれた
→このような農作業も姿を変えて、1960年代半ばころから、
新しい品種を開発して収穫を増やす動きが見られた
=このような農業の改革を「緑の革命」という
※緑の革命によって、以下のような動きが見られた
・生産日数が短い高収量品種の導入と普及が行なわれた
・灌漑や排水施設の整備
・トラクターなどの農業機械の導入
・無肥料や無農薬をやめて、化学肥料や農薬の使用
・近隣農家との共同作業にかわって雇用労働力の利用 など
→「緑の革命」によって、資金と労働力を大量に利用する農業にかわっていった
=「緑の革命」の時に、タイの中部では、灌漑水路やポンプを利用した
乾季稲作が急速に普及した
※この時に、二期作も可能になって、コメの収穫量が伝統的な稲作の
2倍になった
※タイ以外にも、インド、フィリピン、メキシコなどでも、
稲、小麦、とうもろこしなどの高収量品種が導入された
→しかし、肥料や農薬などへの支出が増えたため、農民の間に経済的な格差が広がった
・東南アジアのプランテーションの発達について
※東南アジアでは、稲作以外にも、プランテーションが行なわれていた
→なぜ、プランテーションが行なわれていたのか
・東南アジア各地に、19世紀以降、欧米諸国による植民地支配のもとで
天然ゴムなどのプランテーションが数多く開かれてきていたからだと言われている
・マレーシアやインドネシアのスマトラ島やカリマンタン島では、
油やしプランテーションが急速に広がっている
・フィリピンでは、2000~3000haのバナナ園がいくつもある
→これらの農園は、1960年代にアメリカ合衆国や日本の資本によって
開発されたものだった
※これらの農園は、多国籍企業の子会社を通じて、生産、流通、販売を行っている
※フィリピンのバナナの大部分は日本に輸出されている
・ベトナムでは、南部中央高地を中心に、コーヒー園が広がり、輸出が増加した
=そのため、日本でもベトナムコーヒーを好む人が増えた
ポイント
・東南アジアの気候についておさえる
・東南アジアの農業についておさえる
・東南アジアのプランテーションの発達についておさえる
このあたりが今回のポイントです