地域の視点からのアフリカの考察
地域の視点からアフリカを考えてみます
・アフリカの地域区分について
・アフリカは、所得格差が大きく、一部の富裕層が総所得のほとんどを持っている
という現状がある
→さらにアフリカは、低所得者の割合が高い国と、後発発展途上国とが一致する傾向がある
※この一致する傾向は、多くが赤道をはさんだ赤道の中央部で見られる
・一方で、アフリカの中でも、貧困層が比較的少ない国は地中海沿岸と
南アフリカ共和国に分かれている
・総人口に占める黒人人口比率が高い地域は、低所得者が多いという傾向がある
=これらの特徴を考えるとアフリカは、北アフリカ、中南アフリカ、南アフリカに
区分することが出来る
・地域による産業の違い
・北アフリカの国々や南アフリカ共和国は、原油や鉄鉱石などの地下資源が多いため、
工業の発達が見られる
→一方で、中南アフリカは経済に占める農業の割合が高い
・北アフリカのリビアや南アフリカ共和国は、エネルギー資源や鉱山資源、
工業製品などの輸出が多い
→一方で、中南アフリカのコートジボワールやエチオピアでは、
カカオやコーヒーなどの一次産品の輸出割合が高い
※一般的に、一次産品は付加が小さく、農地の所有が独占されやすいという特徴がある
=そのため、一次産品を中心にしている国は、大きな所得格差や貧困を生みやすい
と言われている
→独立後の中南アフリカは、輸出用の商品作物に力を入れるしか自立への道が無かった
=そのため、灌漑施設の整備の遅れや、栽培技術の改良の遅れなどが出てきてしまい
食料の増産が進まなかった
※このようにして、食料の増産が進まなかったことも、
アフリカに貧困層が多い原因の一つだと言われている
・アフリカの植民地支配の影響
※アフリカの貧困の原因の一つに、16世紀からの奴隷貿易、帝国主義時代のヨーロッパの
植民地支配などがある
→特に、黒人が主に住んでいた中南アフリカは、300年もの奴隷貿易の結果、
人口が大幅に減少し、今まであった固有の文化と社会が壊れてしまった
※第一次世界大戦が始まる時に独立していた国は、エチオピア、リベリア、
南アフリカ連邦だけだった
・ヨーロッパの植民地になった多くの地域では、熱帯特有の商品作物や、
工業の原料の供給地として使われた
※このような歴史的背景が、プランテーションやモノカルチャー経済を残している原因の
一つだとされている
・アフリカは、1960年代をピークに多くの独立国が出てきたが、
社会、経済、文化などの様々な面で現在もヨーロッパの影響を受けている
・北アフリカのイスラームの国々以外は、旧宗主国の言語が多くの国で
公用語として使われている
・貿易の面でも、ヨーロッパに大きく依存する国がかなり多い
・アフリカの課題
・ヨーロッパの植民地支配の結果、アフリカで国境線が民族の分布と関係なく引かれた
→実際に、同じ民族が分断される、対立する民族が一つの国にまとめられる、
などということが起きた
※そのため、内戦の原因を抱え、政情が不安定な国も多い
・アフリカでは、以下のような理由でも、貧富の格差が生まれていると言われている
→・内戦が原因で食料の増産に力を入れることが出来ない
・独裁政権の上の人達が利益を自分達のために蓄積する
・特定の民族集団による経済的な特権が発生している
・現在それぞれの国は、国民の教育の充実によって人材育成を行い、
工業化を促すという努力をしている
※しかし、構造の問題など、自分の国だけで対応できない問題が多い
→そのため、先進国が効果的に援助することが期待されている
ポイント
・アフリカの地域区分についておさえる
・地域による産業の違いをおさえる
・アフリカの植民地支配の影響をおさえる
・アフリカの課題をおさえる
このあたりが今回のポイントです