キリスト教について -古代ユダヤ教・イスラエル人の信仰・イエスが登場するまで-
キリスト教について、イスラエル人の信仰と、イエスが登場するまでを説明します
・キリスト教と古代ユダヤ教、イスラエルの神について
・前提として、ヨーロッパの文化とキリスト教の根本を知る必要がある
・現代のヨーロッパの文化の根本には・・
→ギリシアの思想(ヘレニズム)とユダヤ、キリストの思想(ヘブライズム)の
2つで出来ている
・キリスト教のベースには・・
→イスラエル人の宗教であるユダヤ教がある
→上の2つを見ると、両方とも「ユダヤ」という言葉が含まれている
=ユダヤ教とイスラエル人のことが分からないと、キリスト教のことがわからない
※「ユダヤ」があることを知るためには、ヨーロッパとキリスト教の根本を
知らないといけない
→だから、前提で、「ヨーロッパの文化とキリスト教の根本を知る必要がある」
と書いた
・ユダヤ教の中心=イスラエル人
→そのため、イスラエル人のことを知る必要がある
※イスラエル人は・・
・遊牧民(定住しないで生活する人)で、紀元前15世紀に、
カナーン(=パレスチナ)という場所に移住した
・イスラエル人以外をヘブライ人と呼び、バビロン捕囚という出来事以降は
ユダヤ人と呼んだ
・世界を作った人で、唯一かつ絶対の神様であるヤハウェを信仰(信じることを)した
=ユダヤ教は、唯一の神だけを信仰したため、一神教と言われる
・イスラエル人の信仰については、「旧約聖書」の「出エジプト記」に書かれていた
→「旧約聖書」の「出エジプト記」によると・・
・カナーンに定着しないでエジプトに行ったイスラエル人の一部の人達は
奴隷生活だったが、紀元前13世紀頃にモーセという人に率いられて脱出する
この脱出の途中に、シナイ山で、神はモーセを通じてイスラエル人に十戒をさずけた
=この十戒のことを、「モーセの十戒」と言う
※十戒:律法(神の命令と掟)の基本となるもの
・イスラエル人は、神の律法に従えば、神は従った人だけを選んで救済すると考えられた
→これを選民思想と言い、これは神とイスラエル人の間に結ばれた契約であると考えられる
・預言者と救世主
・イスラエルの人達は、人生の中で何回かの困難にぶつかることがあり、
この困難によって、イスラエルの人達は神との契約を忘れ、信仰を見失いかけた
→そこで、イザヤやエレミヤなどといった預言者が登場し、神から授かった言葉を
人々に伝えることで信仰する心を取り戻そうとした
※紀元前6世紀の時に起きたバビロン捕囚を克服できたのは、
預言者の力が大きいと言われている
→この出来事を通して、民族宗教(その民族での宗教のこと)としてのユダヤ教が
誕生したと言われる
※バビロン捕囚:イスラエル人が新バビロニアの捕虜になり、
バビロンに集団移動させられる事件のこと
・バビロン捕囚など様々な出来事を通して、イスラエル人の中で救世主(メシア)を
待ち望む信仰が生まれた
※救世主は、ヘブライ語でメシア、ギリシア語でキリスト、と言う
→この信仰を信じ続ければ神は必ずメシアを派遣して自分たちを救ってくれると信じていた
→信じていた時に、イエスという人が登場した
※イエス・キリストは救世主であり、神ではない
ポイント
・キリスト教のベースに、ユダヤ教がある
・ユダヤ教の中心=イスラエル人
・イスラエル人は、唯一の神であるヤハウェを信仰した
・神はモーセを通して、十戒を授けた=モーセの十戒
・イスラエル人は、選民思想のもと、神と契約していた
・預言者がイスラエル人の忘れかけた信仰心を思い出させようとした
・バビロン捕囚を通して民族宗教としてのユダヤ教が誕生した
・イスラエル人の中で、メシアを待ち望む信仰が生まれた
※預言者と救世主を混同しない