「法の支配」と様々な人権について② -人権の歴史と世界の人権について-
「法の支配」と様々な人権について、関連する部分を交えながら考えてみます
・人権の歴史の流れについて(自由権と社会権)
・人権の一番最初は、自由権(思想の自由、身体の自由、経済活動の自由などを
まとめて呼んだもの)だった
→自由権は、様々な面で影響を与えた
・自由権が与えた影響
・自由権は、伝統や身分制度から自由になる考えのため、
身分制度や教会などが問題視されるようになった
・経済活動の自由は、産業革命の時に、貧困や劣悪な労働環境などを生み出した
→このような状況の中で、労働者が団結したり、抵抗したりすることで、
労働運動が始まったと言われる
※この時に、自由権の考え方に含まれている「平等」の部分を
政府がもっと注目すべきいう考えが生まれてきた
・社会権について
・1917年のロシア革命で社会主義を作ろうとしたことが、資本主義の国に
生存権を中心とする社会権を意識させるきっかけになったと言われている
・1919年、ドイツのワイマール憲法で社会権を初めて定めた
→この動きの後に、2つの動きが見られるようになった
・社会権の規定によって、福祉国家の意識や流れが強くなった
・社会主義の考えは、自由権を含む動きになり、
社会主義が減っていくきっかけになった
・国際的、世界規模な人権について
・世界的な人権として、最も大きいもので代表的なものに、
世界人権宣言と国際人権規約がある
・世界人権宣言
・1948年に、国連で採択された
・基本的人権を保障するときに、差別することを禁止した
・国際人権規約
・1966年に採択されて、1976年に発効された
・A規約とB規約があり、B規約には、選択議定書というものもある
※A規約の内容-「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」
B規約の内容-「市民的及び政治的権利に関する国際規約」
B規約の選択議定書の内容-個人の人権侵害の時に、規約人権委員会という所に
申し立てをする制度を定めた
→・日本は、A規約とB規約は1979年に同意したが、選択議定書は同意していない
・A規約の中にある、公休日の給与、公務員のスト権、高等教育の無償化の3つは、
同意していない
・その他の人権に関わる多くの国際的な条約について
・その他として、代表的なものに
1965年の人種差別撤廃条約、1979年の女子差別撤廃条約、
1989年の子どもの権利条約などがある
→このような運動が世界的に進んでいるので、
人権を侵害するような行動を取った場合、どこの人であろうとも、
世界から批判をうけることになる
※このような動きが進んでいるので、
1991年に南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)も廃止になった
・現在の人権に対する意識について
・国際社会やNGO(非政府組織)などが、人権に対して
厳しく監視する動きが強まっている
→そのため、基本的人権を配慮した行動や考え方が世界レベルで
必要になってきていると言える
※NGO(非政府組織)・・どこの政府からも影響を受けないで何かしらを行う団体のこと
NPO(非営利組織)・・利益を追求することを目的をしないで
何かしらを行う団体のこと
→NGOには、アムネスティ・インターナショナル、国際赤十字、
国境なき医師団など、数多くある
※アムネスティ・インターナショナル・・差別から抜け出すこと、差別を受けている人の
死刑や拷問などの禁止を目指す団体のこと
「世界人権宣言」にある人権を守る社会を
目指す団体とも言われている
ポイント
・人権の最初は自由権で、自由権によって、産業革命の時に労働運動が見られるようになった
・ロシア革命の時に、資本主義の国々が社会権を意識し始め、
ドイツのワイマール憲法は社会権を初めて取り入れた
・世界の人権の代表的なものに、世界人権宣言、国際人権規約などがある
・日本は、B規約の人権の申し立て、A規約の3つは保留の状態となっている
・その他で代表的なものに、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、子どもの権利条約、
アパルトヘイトの禁止などがある
・NGOも監視の役割を果たすようになってきた
・NGOには、アムネスティ・インターナショナルや国境なき医師団など、様々なものがある