日本の社会保障について -歴史と内容-
日本の社会保障の歴史と種類について考えてみます
・日本の社会保障の歴史について
・日本の社会保障制度は、第二次世界大戦の後に出来た、日本国憲法を土台に、
本格的に整備と拡充が行われた
→日本国憲法では、生存権が国民の権利だということと、
社会保障の充実は国の義務ということが決められている
※憲法で決められている社会保障は何か
・憲法で決められている社会保障は、社会保険と公的扶助という、
2つのことが狭い意味での社会保障として決められている
・日本では、社会保険と公的扶助に加えて、公衆衛生と社会福祉の4つが、
日本の社会保障の基本とされている
→社会保障、公的扶助、公衆衛生、社会福祉の4つに加えて、
恩給と戦争犠牲者援護を加えたものが広い意味での社会保障として決められている
・社会保障の種類とその内容について
・社会保険について
・そもそも保険とは・・病気、死亡、障害などの事故の可能性がある時、
人々が保険料というものを払っておくことで
もし事故が起きた時に、それに釣り合うレベルの
給付を受けることができる制度のこと
・社会保険は、国民と、決められている職業の人達の強制的な加入がルールとなっている
(民間保険の場合は、入るか入らないかは自由)
・日本の社会保険は、医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の
5つに分かれている
・社会保険は、社会保険が適用される人によって、被用者保険と
それ以外の国民のための保険に分けられる
※被用者保険・・会社員、公務員、船員とその家族を対象とする社会保険のこと
→被用者保険の保険料は、保険を受ける人、会社、国が
それぞれ分担して払う
・医療保険と年金保険については、1958年の国民健康保険法、
1959年の国民年金法の2つを作ったことで、
1960年の前半までに、国民皆保険と国民皆年金が出来るようになった
※・国民皆保険・・国民全てが何かしらの医療保険制度に入って、
病気やケガなどの場合に医療保険が受けられること
・国民皆年金・・全ての国民が年金に加入すること
※医療保険
・医療保険とは・・保険を受ける人やその家族に病気やケガなどが起きた時に、
医療サービスを受けられる社会保険のこと
・医療保険には、健康保険、国民健康保険、共済組合などがある
※・健康保険・・民間の会社員、労働者が対象の保険のこと
・国民健康保険・・農業、自営業の人達が対象の保険のこと
・共済組合・・公務員が対象の保険のこと
※年金保険
・一定期間の間に掛け金を払って、老後、障害、死亡などになった時に、
給付金が支払われる社会保険のこと
・年金保険には、厚生年金保険、国民年金、共済年金などがある
※・厚生年金保険・・民間企業で雇われている人が対象の保険のこと
・国民年金・・自営業、第一次産業(農業、林業、水産業など)の人達が
対象の保険のこと
・共済年金・・公務員が対象の保険のこと
・公的扶助
・生存権の保障をより具体的にするために、生活に困っている人に対して、
一定のレベルの生活を国の責任で保障する制度のこと
※公的扶助の中心は生活保護であり、生活保護法という法律もある
→生活保護法では、生活保護の種類として、
生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助
の8つの扶助が決められている
・社会福祉
・児童、老人、障害者などのような、社会的に弱い立場の人々が自立して、
社会での安定した生活を行うことができるように、
福祉の施設を作ったり、福祉のサービスを与えたりすること
・社会福祉の内容を決めた法律として6種類ある
→生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法、
知的障害者福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法の6種類
=この6種類をまとめて、福祉六法と呼ばれている
・公衆衛生
・病気の予防や治療などを行うことで、地域の人達の健康の増進を目指すことと、
地域の環境衛生の改善を目指そうとすること
・地域の公衆衛生については、地域保健法という法律によって
それぞれの自治体に用意されることとなった保健所や保健センターが
担当して様々なことを行っている