大航海時代・商業革命・価格革命について
大航海時代・商業革命・価格革命について考えてみます
・大航海時代について
・ヨーロッパでは十字軍以降、マルコ=ポーロの「世界の記述」(東方見聞録)などに
刺激されて、アジアの文化や富に対する関心が高まっていった
→一方で、羅針盤の改良、快速帆船の普及などで遠洋航海が可能になった
※莫大な富をもたらす金やアジアの特産品の香辛料は、新しい財源を求める君主など、
多くの人々をひきつけた
※なぜ香辛料が莫大な富をもたらすのか
→西ヨーロッパでは14世紀以来肉食が普及し、
コショウなどの香辛料の需要が高まったから
→ただし、香辛料の貿易はイタリアの商人に独占されていた
・また、国土回復運動のなかで異教徒と戦ってきたポルトガルやスペインでは、
キリスト教を海外に布教しようとする動きも強かった
・ポルトガルの商人は、15世紀の頭からアフリカ西岸の探検に乗り出していた
→この探検事業を、「航海王子」のエンリケという人がさらに推進した
→その後、ジョアン2世が治めていた1488年に、バルトロメウ=ディアスが
アフリカ南端の希望峰に着いた
→1498年には、ヴァスコ=ダ=ガマという人がインド西岸のカリカットに到達した
・インド航路の開拓は一種の国営事業として行なわれた
→この国営事業によって実現した香辛料の直接取引は、ポルトガルの王室に
莫大な利益をもたらした
※ポルトガルの首都のリスボンというところは、一時的に世界商業の中心になった
・商業革命と価格革命について
・大航海時代の到来とともに、世界の一体化が始まったと言われている
※中でも、ヨーロッパ商業は世界的なひろがりを持つようになり、
商品の種類や取引額が拡大した
→そして、ヨーロッパでの遠隔地貿易の中心は地中海から大西洋にのぞむ国々へ移動した
=この動きを商業革命という
→世界商業圏の形成は、広大な海外市場を開くことで、すでに始まりかけていた
資本主義経済の発達を促した
・また、1545年にポトシ銀山の発見など、ラテンアメリカの銀山から大量の銀が流入した
→その結果、ヨーロッパの物価が2~3倍に上昇した
=この大幅な物価上昇を価格革命という
※価格革命で、固定地代の収入で生活する領主は大きなダメージを受けたと言われている
※ラテンアメリカ・・アメリカ大陸で、スペインやポルトガル系の言語や文化が広がった
メキシコ以南の地域のこと
※ラテンアメリカの銀はアジアにももたらされ、アジアの経済にも大きな
影響を与えたと言われている
・西ヨーロッパの国々では、商工業が活発となった
→その一方で、エルベ川以東の東ヨーロッパ地域は西ヨーロッパの国々に穀物を
輸出するために、農場領主制(グーツヘルシャフト)が広まった
※農場領主制・・領主が輸出用穀物を生産する直営地経営を行うこと
→この制度は、農奴に対する支配がかえって強化されて、再販農奴制とも言われている
→ヨーロッパの国々での東西の分業体制の確立は、その後の東ヨーロッパの発展に
大きな影響を与えたと言われている
ポイント
・大航海時代についておさえる
・商業革命と価格革命についておさえる
このあたりが今回のポイントです