人はなぜ判断を間違えるのか -決断の時の心理と原因-
人は常に決断と実行を繰り返します。職業選択などの大きな決断から、眠いから寝るという小さな決断と実行まで様々です。
もし、その決断と実行が全て正しければ、実はずっと幸せの可能性があります。
ただし、決断が全て正しいかどうかはわかりません。それは結果から見た時かもしれないですし、途中で気づく可能性もあります。自ら正しかった決断を正しくない方向へ持っていくかもしれません。
出来る限り決断を正しくしたいものですが、なぜ人は間違ってしまうのでしょうか。
基本的には、何か物事を判断する時、人は主観で判断するために判断を誤ることがあると言われています。
全ての物事を完全に把握して、世界中誰もが納得する完璧な論理を客観的に捉えたら、それはすごいことです。でも絶対にできません。足りない知識や論理は自分の経験などで補おうとする以上、主観は入ってしまいます。
つまり、物事を見る時に、どうしても感情や心理が関係してきてしまいます。
では、なにかを判断するときにどのような心理が働いているのでしょうか。
有名なものに、ハロー効果があります。ハロー効果とは、一部が良いと思うと、他も良いと思ってしまうことです。逆に、一部が悪いと思うと、他も悪いと思ってしまうことも同じです。
また、ピグマリオン効果というのも有名です。ピグマリオン効果とは、人が人に対して抱く期待が結果にも反映されることです。
ローゼンソールとジェイコブソンという人が明らかにしました。
その他に有名なものとして、初頭効果と親近効果があります。
初頭効果とは、モノや人を判断する時に、最初に得た情報に影響を受けることです。
親近効果とは、モノや人を判断する時に、判断の直前に得た情報に影響を受けることです。
そして、自己充足的予言というのもあります。自己充足的予言とは、人が人に対して期待したり、予期したりした行動に他人を無意識に向かわせる現象のことです。
さらに、その物事の評価を変えてしまうかもしれない心理として、寛大効果、社会的望ましさ、単純接触効果があります。
寛大効果とは、自分に近ければ近いほど、その人やモノが高評価に向かいやすくなることです。
社会的望ましさとは、社会的に望ましい特性を持っている人やモノに対して、好意を抱きやすくなることです。
単純接触効果とは、ある人やモノに対して、見たり聞いたりが増えると、だんだん好きになっていくことです。
つまり、初頭効果で何か物事について良いと判断し、ハロー効果でその物事の他の部分も良いと判断し、ピグマリオン効果でその物事への期待が実現へ向かい、最終的な物事の判断の時に親近効果でさらに物事が良いと思うと、自己充足的予言でその物事を期待通りの方向へ持っていこうとしている可能性があります。さらに、自分に近く、社会的に望ましく、何度もその物事に触れていくと、もっともっとその物事が良いと思うようになります。
というように、実はいくつかの考え方が組み合わさることで上の話のようなことが起きてしまうかもしれません。
このように、物事を論理的に考え、論理的な推測が絶対に正しいという思い込みを論理的錯誤と言います。「良い大学に通っているから、将来仕事も出来るだろう」という思い込みなどが当てはまります。
ただ、論理的錯誤の視点から考えれば、上のお話は全くの思い違いの可能性もあるわけです。
この心理の法則をもとにしたお話、あなたは共感しますか?