自分の記憶を知ろう -記憶の種類とその仕組み-
人は常に何かを覚えます。
狙って覚えることもあれば、自然と覚えることもあります。
覚えたくないことを忘れられないということもあるかもしれませんし、
逆にずっと覚えておきたいという可能性もあります。
物事を覚えているかどうか、について考えるときに重要なのは、時間です。
長い時間覚えていれば、記憶力が良いという話になります。
なので、あたりまえですが、忘れたくないものはずっと覚えていればいいわけです。
忘れたいものは、覚えていなければいいわけです。
時間について考えると、
人間の記憶は、時間で分けて、感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3種類に分かれます。
感覚記憶とは、数百ミリ秒~数秒の間の記憶のことです。
たくさん覚えられるという特徴があります。
短期記憶とは、数秒~数分の間の記憶のことです。
マジカルナンバー7という特徴があります。
長期記憶は、数分以上の記憶のことです。
覚える量に制限が無いという特徴があります。
マジカルナンバー7とは、短期記憶の量は7±2チャンクだという考えのことです。
チャンクとは、まとまりのようなもののことで、
例えば「時計」を考えてみると、「と」「け」「い」で覚えると3チャンク、
「時」「計」で覚えると2チャンク、「時計」で覚えると1チャンクとなります。
このチャンクを記憶にあてはめた時に7±2なので、マジカルナンバー7といいます。
また、短期記憶は、ワーキングメモリー(作業記憶)だと考えられることもあります。
また、長期記憶には、いくつかの種類があります。
まず、長期記憶は、宣言的記憶と手続き記憶に分かれます。
この違いは、その記憶が言葉や文字に置き換えることができるかどうかです。
宣言的記憶とは、言葉や文章に置き換えることが出来る記憶のことです。
手続き記憶とは、言葉や文章に置き換えることが出来ない記憶のことです。
また、宣言的記憶は、エピソード記憶と意味記憶に分かれます。
エピソード記憶とは、時間や場所に関係する記憶のことです。
意味記憶とは、一般的な知識にあたる記憶のことです。
このように、長期記憶はいくつかの種類に分けられることになります。
今回の内容では、時間の区分と長期記憶の分類で考えてみましたが、
マジカルナンバー7で考えると、
何かを覚える時に、まとまりで覚えるとたくさん覚えることが出来るかもしれないわけです。
そして、エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶のどれかに該当することで、
長期記憶が発揮されるかもしれません。
また、記憶の仕組みには、記銘、保持、再生という一連の過程があります。
記銘とは、情報が感覚記憶を通じて短期記憶になるまでの過程のことです
保持とは、短期記憶に記銘された情報をリハーサルすることで、忘れずに保ち続けることです。
リハーサルとは、記銘した情報を頭の中で繰り返したり、実際に口に出して繰り返したりすることです。リハーサルによって短期記憶が長期記憶になります。
再生とは、短期記憶や長期記憶で保たれた情報を思い出させること
ということは、忘れないためには必然的に繰り返すことが重要になります。
そして、繰り返した情報は常に発信する必要があります。
なので、情報を繰り返し発信することで、マジカルナンバー7が長期記憶に変わり、
長期記憶がたくさん増えることで、記憶力の良い人に見られる可能性があります。
今までの考え方をまとめると、マジカルナンバー7でまとまりにして覚え、学校の授業なんかで勉強したことを繰り返して覚え、テストで発揮することによって、エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶のどれかを活用し、長期記憶へ向けての良い動きを行うことで、より多くの情報をより長く記憶できるということになります。
はたして、本当にそうでしょうか・・・?